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専門ショッピング部門
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店鋪、ネット、通販の相乗効果で
信頼と支持を得たユニクロが1位
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前回の新人賞はMUJI.net、ソニースタイル、イープラスなどのECサイトが上位を占めた。2001年はそれらの真価が問われた年だ。そんな中トップを奪ったのは、ノミネートサイト中唯一のアパレルショップ、ユニクロだ。
唯一の衣服店ながら圧倒的話題性
ユニクロドットコム
www.uniqlo.com
2000年冬のフリースシーズンに大人気。サーバーダウンも引き起こす熱狂ぶりで一躍名を知らしめた。ショップ開始時のフリース50色を並べたサイトデザイン、ウェッブ限定色発売など、話題作りは巧み
サービス拡張し、大御所は安泰
紀伊國屋書店BookWeb
bookweb.kinokuniya.co.jp
海外からAmazon.co.jpが、古本からはイーブックオフが進出し、競争激しい書店分野の中で、老舗の格を見せつけた。iモード、Lモード、PDAとさまざまなデバイスに展開している。プラットフォームにかかわらず同じIDが使えることを思えば、1500円の入会金は惜しくない。国内約170万件、海外約230万件という日本最大級の書籍データベースは資料としても圧倒、検索だけでも利用価値が高い
過剰とも思えるサービスはさすが
TSUTAYA online
www.tsutaya.co.jp
CD・ビデオ/DVD販売もショップが軒を連ねて競争が激しい分野だが、TSUTAYAは顧客層の携帯電話使用比率に合わせ、携帯メールで情報提供、試聴、CD・DVD販売、レンタル割引クーポン提供を積極的に実施、確実に来店につなげ大成功している。会員数は200万人を超え、うち携帯電話の会員が6割を超す。ウェッブの無料会員登録でも、店頭在庫検索やレンタル割引クーポン、通販など圧倒的に他店よりサービスが幅広い
2000年10月にECサイトをスタート、フリースの50色展開で当初からアクセスが殺到したユニクロドットコム。だがその直後、大きなリニューアルでサイトの方針を変えたという。
「開始当時はフリース50色でブームに乗れた部分も大きかったんですが、商品数が少なく、継続的に利用してもらえるようなサイトではありませんでした。そこで2001年2月にリニューアルし、商品数を200点ほどに拡大、価格は実店舗と同じにして土日限定価格も採用しました。それにより、サイトでもリピーターのお客様が増えました」(ダイレクト販売事業部部長の神田充教氏)
店舗、カタログ通販、インターネットすべてを同等に扱い、相乗効果が発揮されているのがユニクロの特徴だ。「ネットのお客様、店舗のお客様と分けて考えてはいない」(神田氏)という。サイトには実店舗のポスター画像をそのまま使い、イメージを統一することで安心感を高める。
「チラシやカタログに記載された商品番号を、ウェッブやiモードサイトで入力して注文できるんです。週刊のメルマガでは土日限定価格をお知らせしたりと、いろいろな媒体を複合的に使えていると思います」(神田氏)。ネットから店舗へ、また紙媒体からネットへと、さまざまな方向にユーザーを誘導できる。
ユニクロで初めてネットショッピングを経験したという人も多いという。同社の「年齢や性別を問わずにどんな方でも」というコンセプトが、サイトの使いやすさにも表れているのかもしれない。
識者の声 |
消費者が一番求めているのは安心感
どこまで商品の情報が出ているかで評価が決まる
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2001年はネットで買い物をするという行為が一般のユーザーにも広まり、安全で確実な買い物のできるところが求められました。そうした中で、それまでのパワーユーザーが話題にした店(逸品.comなど)から、やっぱりユニクロや紀伊國屋書店など、実際の店舗で知られている「王道ショップ」が選択される傾向になっていますね。
オンラインショップを選ぶ際には、どこまで情報を出しているか、というのが基準の1つとなります。化粧品なら全成分表示を実施していたり、牧場なら話題の狂牛病への心配を取り除くために環境や肥料について説明したり。そのような情報によって、単に買い物だけでなく、そのブランドのことを知りたいという気持ちが満たされます。消費者がブランドや商品に抱く関心の度合いも深まっており、それらを満たすのは大事なことです。実際の店舗で商品を手に取る以上の情報があれば、消費者を引きつけることができます。ユニクロは、ネット通販を開始するずっと前から、ホームページ上に全店舗の地図を載せていました。高い評価を得ているのは、そうした努力の結果かもしれません。
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通販評論家 消費生活アドバイザー
村山らむね氏
通販評論家。楽天メルマガで連載中。ホームページはwww.lamune.com
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