この秋、月額定額制で利用し放題というレンタルDVDサービスがネットに登場している。特徴は、申し込みをウェッブ上で受け付け、実際のソフトのやり取りは郵送で行うという点。実はこれ、米国ではすでにメジャーなサービス形態なのだ。
都市部はともかく、地方になると、家の近くにレンタルビデオ店がないという人は多いだろう。ちょっとビデオを借りに行くのにも車を走らせねばならない。そうしたユーザーにとっては、届くのに多少時間がかかっても、見たいと思ったその場で申し込めて家まで届けてくれるというのは「かゆいところに手が届く」サービス。広大なアメリカで流行ったのもうなずける。
だが、必ずしもターゲットは地方ユーザーとは限らない。オン・ザ・エッジが11月よりサービスを開始する「ぽすれん」を企画した山名真由氏は、「私は映画が好きで、レンタルビデオ店をよく利用しますが、仕事が忙しくて返しに行けずに延滞料金を払ったり、まだ見ていないのに泣く泣く返却することがよくあります。NETFLIXを見て『なぜこういうサービスが日本にないんだろう?』と思って提案したんです」と話す。
ぽすれんは9月26日にサイトをオープンし、事前会員登録を開始。登録ユーザーのプロフィールを実際に見ると、都市部、地方を問わずニーズがあるという。
ネット経由ならではの付加価値も魅力だ。ぽすれんでは、携帯電話からも借りられる機能や、ぽすれん側でソフトをチョイスして送ってくれる「おまかせ配送」も予定している。ランダムに1本を選んでくれる「ランダムオススメボタン」で運命の作品との出合いを求めることもできる。貸し出し中で借りられなかった作品が返却されたらメールで知らせてくれる機能の計画もある。
ブロードバンドによるオンデマンド配信になかなかコンテンツが集まらない現状をしり目に、「リアルとネットでいま可能なこと」をうまく組み合わせたこのサービス形態。さて、日本でもブレイクするか!?
■ぽすれん www.posren.com 11月正式サービススタート。コラムや新作情報なども交え、映像ソフトの総合情報サイトとしても充実させていくという 破損・紛失事故に対しては年間1000円の保険料で対応するが、専用に開発されたパッケージには自信アリ。「メーカーと検討を重ね、ほぼ破損の心配はないものになりました」(明石氏)
●ソフトのラインアップは? オープン時には1500以上のタイトルを用意。新作、人気作はもちろん、「オンデマンドで対応できるインターネットの特性を生かし、マニアックなものまでジャンルを問わず幅広く揃えていきたい」とのこと。更新は週に一度。また、「男性だけでなく女性も楽しめるアダルトコーナー」もユニーク。
●利用料金は? 入会時に年間保険料1000円、入会金1000円が必要。月額利用料金は2980円(旧作のみレンタル可能)/3980円(新作・旧作レンタル可能)。一度に2枚セットで借りられる。決済はクレジットカード。
●届くまでの日数は? 毎日午前中に締め切りを設け、その時間までの注文はその日のうちに普通郵便で発送。最速で1日、遅くても4日後には届くという。
●返却方法は? 見終わったら、返送用封筒に入れてポストに投函するだけ。郵便代を負担する必要はない。
●長期間返却しないユーザーに対しては? あまりに長い期間返却せず、ウェッブの利用もないユーザーに対しては返却を促す。新作なら2〜3週間を目安に(旧作はもう少し長め)。
■NETFLIX www.netflix.com ネットDVDレンタルサービスといえばここ、というくらい有名な米国のサービス。100万人以上の会員を集めている。月額19ドル95セントで使い放題
■ウェブデリ www.web-deli.co.jp 月額1980円(一度に1枚まで、返却郵送費含まず)と、月額3980円(一度に3枚まで、郵送費込み)のコースあり。最初に20タイトルを選ぶと、レンタル可能なものの中から優先度順に送付されてくる