今後のノートはほぼ無線LAN内蔵に
春モデルを買う前に知っておきたいこと
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3月12日、インテルからノートパソコン向けの新しいアーキテクチャ「Centrino(セントリーノ)」が正式発表され、同時に主要なパソコンメーカーから、Centrinoを採用したノートパソコンの新製品が発表された。
3月12日の発表会には、米インテルの社長兼COOであるポール・S・オッテリーニ氏(写真中央)や、Centrinoの開発を指揮したダディ・パルムッター氏(左)らが来日、質問に答えた
Centrinoとは、CPUの「Pentium M」、チップセットの「Intel 855」、無線LANモジュールの「Intel PRO/Wireless 2100」という3つの製品を組み合わせたときに用いられるブランド名。これまでのノートパソコンは、デスクトップパソコン向けのアーキテクチャを流用する形で開発されていたが、Centrinoはノートパソコン専用に設計された新アーキテクチャとなる。
Centrinoの最大の特徴は、大きく分けて2つ。1つは、デスクトップパソコン並みのハイパフォーマンスを誇りながら、長時間のバッテリ駆動を実現する点。そしてもう1つが、無線LAN機能を提供する点だ。
各メーカーからCentrino搭載モデルも一斉に発表 |
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Centrino搭載パソコンに貼られるロゴシール。今後は、このシールが貼られたパソコンを見かける機会が増えるだろう |
これにより、パソコンメーカーは、CPUとチップセットだけでなく、無線LANをも組み合わせた形でインテルから供給を受けることが可能になり、ノートパソコンへの無線LAN内蔵が進むと見られている。すでにモバイル向けのノートパソコンのみならず、A4サイズ以上のオールインワンノートでもCentrinoの採用が発表されており、今年の春モデル以降は、ほとんどのノートパソコンに標準で無線LANが内蔵されると予測できる。
ただし、現時点でCentrinoが採用する無線LAN規格はIEEE 802.11bのみ。今年の6月をめどにIEEE 802.11a/bのコンボ製品を投入する予定もあるが、いま話題のIEEE 802.11gの投入は未定となる。同社によると、今年の6月に予定されているIEEE 802.11gの正式策定を待ってから投入を検討する予定だという。
しかしながら、すでに米国ではIEEE 802.11a/b/gのすべての規格に対応した無線LAN製品が出荷されるなど、時代はすべての規格に対応したコンボへと移りつつある。無線LANのトレンドだけを考えれば、現段階でIEEE 802.11bしかサポートしないCentrinoでは物足りないと考えるユーザーも少なくない。
無線LAN規格の今後の流れ
しかも、Centrinoで提供される無線LANモジュールは、交換が困難なミニPCIでの提供となる。現時点では、無線LANモジュールのアップグレードパスなどは、どのメーカーからも発表されていないこともあり、慎重に選ばないと、後々、無線LAN規格の状況が変化したときの対応が難しい。
なお、インテルでは、既存のホットスポット(公衆無線LAN)とCentrino搭載パソコンの接続確認テストなども展開する予定。接続が確認されたホットスポットには、Centrinoのロゴマークが付いたステッカーを貼るとしている。これにより、無線LAN市場全体の活性化を図るかまえだ。
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