ソフトバンクBBを訪れたのは、Yahoo!BB 26Mサービスの事前申し込みがスタートして約10日後。実際の数字までは公表されなかったものの、同社技術本部本部長の牧園氏からは「事前申し込みの加入者数はかなり順調」との返事が返ってきた。これまでのサービスで速度、開始時期とも他社をリードしてきた同社ならではといったところだ。

　当初は7月上旬とされていたサービス開始時期だが、結果的には15日の開始となった。TTCでの会合、NTT接続約款の改定時期に合わせたためだ。ただし、牧園氏によると、「サービスが正式に開始されれば、すぐにモデムの発送や開通工事を始められる準備が整っている」とのこと。このあたりは、いち早いサービス展開が期待できそうだ。

G.992.5 AnnexA+オーバーラップ
2kmまでなら恩恵が受けられる

　他社と異なり、20Mbps超ADSLの規格に言及していなかった同社（正式サービス発表時に公表）だが、これについては「G.992.5 AnnexAで、いままで通りオーバーラップも利用する」（牧園氏）とのことだ。国内の他事業者が多く採用しているG.992.1 AnnexIとは異なる規格となるが、すでに12MbpsサービスでAnnexAの実績があるだけに、性能的にも期待できるだろう。

　なお、現状、同社が公表しているNTT局舎からの距離とスピードイメージ図は、「ラボのテスト結果をイメージに落とし込んだもの」（牧園氏）だそうだ。「おおむね2km以内であれば、恩恵が受けられ、それ以上の距離だと12Mbps ADSLとほぼ同等。ただしモデムの性能向上で、多少の速度アップは期待できる」（牧園氏）とのことだ。

　さらに、将来の予定としては、実際にサービスを提供するかまでは未定としながらも、50Mbps超のADSLなども技術的には検討中としている。

　むしろ、同社で注目したいのは、インフラのみの提供にとどまっていない点だ。「BBケーブルTV」や先日発表されたオンラインPCゲームポータル「BB Games」など、ブロードバンドを生かすための事業も積極的に展開している。BBケーブルTVに関しては、「サービスエリアを1都3県に拡大」（サービス企画統括部統括部長　田中氏）ということもあり、単純なインフラだけでなく、今後はインフラを活用するためのソリューションを併せたサービス展開が大きく期待される。

ソフトバンクBB サービス企画統括部 統括部長 田中克和氏

ソフトバンクBB 技術本部 本部長 牧園啓市氏

20M超ADSLの真実　6/6