3歳から習ったクラシックバレエのおかげか、背筋がすっきりと伸びた、美しい動きを見せる。モダンさとしっとりした日本的な風情を併せ持つ表情が魅力的 |
穏やかで、ちょっと夢見るように考えながら話すそのしぐさが、とてもキレイだ。
「たまき」という芸名は、大好きな竹久夢二の妻の名から付けたものだそうだが、確かにそんな大正ロマネスク風なイメージがある彼女。
「いえ、そんな……。夢二の絵の世界は本当に大好きですけど。夢二というと美人画を思われるのでしょうが、子どものために描いた絵もたくさんあって、私はとくにその童画が好きなんです」
好きなもの、趣味の話は尽きない。純文学や古い映画などに対する思い入れを、丁寧な口調で、熱く語るたまきさん。そのこだわりぶりは、趣味のカメラでも発揮されている、
「初めて自分のカメラを買ってもらったのは小学2年生のとき。カメラ好きの父を見ていて、“すごくおもしろそう”と思ったんです。父は、家族旅行のときもレンズをいくつも持っていって、絞りやシャッター速度をいろいろ調整して……一生懸命工夫する感じが、楽しそうだったんですよね」
19歳で一眼レフのカメラを買ったときも、うれしくて夢中になったという。現在は旧型のライカを愛用。「散歩には必ず持って出かけます。途中、気に入ったものをいろいろ撮っています」
好きな食べ物は「タイ料理や青いお魚。香草も大好きです」。広島育ちで「お好み焼きはヘラで食べないと気分が出ませんね」とニッコリ
『Stereo Future』のホームページ
映画『Stereo Future』は、『SAMURAI FICTION』でデビューを果たした中野裕之監督の2作目。出演者も個性派揃いの話題作だ。「恋愛とエコロジー、並行する両方のストーリーを楽しんでもらえる映画なんです」
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カメラに限らず、興味を持ったものには「凝る」タイプ。
「徹底的に調べて、コレだ! というものを選ぶんです。今年パソコンを始めたんですが、それはもう、じっくり勉強して買いました。最初は何日も寝ないで……というと大げさなようですが、本当に夢中でいじってましたね」
もちろん、インターネットも自分でしっかり設定。
「インターネットで念願のカメラを買ったんですよ。5年以上も探していたロシアのカメラで、もう日本では手に入らないとあきらめていたのが、見つかったんです。えっ、あるの!? 買えるの!? って感激。インターネットってすごいなぁ〜、もうこういう時代なんだと実感しましたね」
時代といえば、たまきさんが出演している映画『Stereo Future』は、2002年という近未来を舞台にした作品。
「恋愛ストーリーと並行して、地球環境の話が絡んでいて、私はそのエコロジーの部分にかかわる役なんです。詳しく言うと観る楽しみがなくなりますけど、たとえば苔の美しさとか、そういう感激も含めて見ていただければと思います」
しっとりした風情に包んで、知性と感情の襞(ひだ)を持つ、たまきさん。「何かに夢中になっているのが幸せ」という彼女を、次に熱中させる仕事、趣味、そして恋(!?)を楽しみにしていきたい。
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