「ファイルの目次」に当たるものが「ディレクトリエントリ」と呼ばれるものだ。これは、ディレクトリ構造やファイルのインデックスになっており、1つのディレクトリエントリには、ファイル名、フォルダ(ディレクトリ)名、拡張子、作成日時、最終アクセス日時、最終更新日時、ファイルサイズなどが収められている。ディレクトリエントリだけを削除することで、データ領域にデータが残っていても、読み出すことができなくなる。
要するに、ファイルを削除するということは、ディレクトリエントリのファイル名の先頭に無効を示す1バイト(E5h)を書き込む、ということなのだ。これと同時にFAT領域にもゼロが代入され、いわゆる初期化が行われることとなる。こうすることで上書き可能な状態となるのだ。そして上書きされてしまえば、元のデータを復活させることは非常に難しくなる。