一口に「IP電話」といっても、さまざまなサービスが存在するが、ユーザーにとって便利なのはパソコンから電話をかけるのではなく、使い慣れた電話機を使って電話をかけられるタイプのものだろう。このタイプのIP電話は、ヤフー!BBの「BBフォン」が有名。ADSLの高速回線を使って、格安料金で長距離電話や国際電話をかけたり、ユーザー同士で無料通話を行うことができる。
長距離電話をかけることが多い人にとって、これほど魅力的なサービスもないだろうが、BBフォンの場合、ヤフー!BBユーザーしか利用することができないという欠点がある。ヤフー!BBではないADSLユーザーや、CATVなどのブロードバンド回線を引いている人で、BBフォンの機能だけが欲しいと思っている人も多いはずだ。
そんな人にオススメしたいのが今年6月よりサービスが開始された「IP Talk」。BBフォンと同じように、従来の電話機と常時接続回線に専用の端末を接続して利用するシステムになっており、利用や設定にパソコンは一切必要ない。
接続方法も簡単。回線が開通しているブロードバンドモデムやルータ、ハブなどとLANケーブルで接続し、モジュラージャックと電話機の間にモジュラーケーブルで接続すればOK。機器の細かい設定は電話機のプッシュボタンで簡単に行うことができ、ファームウェアのアップグレードなども電話機で行える。
また、端末自体にDHCPクライアント機能が付いているので、DHCPでIPアドレスを割り当てる環境がある人であれば、面倒な設定なしにすぐ使えるのも便利だ。
気になる料金だが、月額980円(別途常時接続回線の料金が必要)と、BBフォンと比べると若干割高だ。とはいえ、BBフォンのような1年間の「縛り」はないし、環境を問わずにIP Talk同士で無料通話を行うことができるので、お互いにBBフォンには入れないという状況であれば、こちらの方が安く上がるだろう。