「顧客情報が名刺やExcelなど個別バラバラで、引き継ぎや対応に不安がある」「少人数体制でも導入できる顧客管理ツールを探している」——そんな課題を抱える中小企業は少なくありません。そこで注目されるのが、クラウド/SaaS型の顧客管理システム(CRM)です。初期費用ゼロ、無料トライアル、即時利用可といった特長を持つ製品も多く、業務の属人化を解消しつつ、効率的な営業・顧客対応体制を構築できます。
本記事では、顧客管理システムの特徴と優位性の確認から、低予算・営業支援・LINE連携・AI分析といった、経営層が望むシーンが多い目的をふまえて選定したおすすめCRM製品、製品導入のチェックポイントまでを分かりやすく解説します。あなたの会社のクラウド型顧客管理システム導入計画の第一歩になれば幸いです。
機能で比較「CRMシステム」おすすめ製品一覧
目次
顧客管理システムとは? クラウド型CRMの特徴と優位性
顧客管理システム(CRM)は、顧客とのやり取りや取引履歴、問い合わせ履歴などの顧客関連情報を一元的に蓄積・管理し、より確度の高い営業活動やマーケティング施策を実現するためのITツールです。
特にクラウド型CRM製品は、インターネット環境さえあれば場所を問わずアクセスできる利便性があり、自社でのサーバ保守やソフトウェアのアップデートも不要なため、IT専任担当がいない中小企業でも導入しやすい点が特長です。コストを抑えつつ、業務効率化や顧客対応力の向上を図れることから、近年そのニーズが高まっています。
この1ページで解決CRMの主な機能、メリット/デメリット、選定ポイントを徹底解説
クラウドCRMが注目される理由
従来のオンプレミス型製品は、自社でサーバを構築・管理する必要があり、初期投資や導入までの期間が大きな負担となっていました。一方、クラウド型製品は月額制で提供され、その気になれば即日導入可能な製品も多く、俊敏な経営判断を支える手段として普及が進んでいます。
また、近年ではセキュリティ面でも改善が見られ、二要素認証やIPアドレス制限、暗号化通信などの機能も標準で備える製品が増えています。これにより、クラウドは不安という懸念も解消されつつあります。
デジタル化が進んでいない企業/進んでいる企業の差
デジタル化が進んでいない中小企業では、顧客情報が名刺・Excel・メールなどで担当者が個々バラバラに管理している体制で、業務の属人化を招きやすく、情報の引き継ぎ漏れや対応遅延も発生するなど、総じて顧客対応が統一されておらず、対応力そのものも低いことに課題が集まる傾向があるようです。そして、それらが積み重なって売上・営業成果が上がらない理由となっていることも大いに考えられます。
クラウド型CRMを活用すれば、顧客データを一元化し、チーム全体でリアルタイムに共有・活用できます。これにより、営業活動の可視化や業務効率化、対応品質の均一化といった効果が期待できます。
さらに、昨今のビジネス環境ではリモートワークやオンライン商談が主流化しつつあり、CRMもモバイル対応やチャット連携、さらには生成AIを活用したメール文面作成など、多機能化が進んでいます。これらの拡張機能を通じて、CRMは単なる顧客管理ツールではなく、業務全体を最適化する中核システムとして位置づけられつつあります。
おすすめ顧客管理を効率化し、売上を上げる方法|基礎知識、すぐ実践できる具体的な手段
顧客管理システムを「導入目的別」に検討する
中小企業の経営層が抱える・感じている課題は多様です。そしてその課題解決に向けたクラウドCRMにも製品と選択肢がたくさんあります。
そのためまずは自社のニーズに合う/導入目的に応じて適したクラウド/SaaS型CRM製品を選ぶことが選定計画におけるゴールの1つとなるでしょう。もちろん最終ゴールは「導入によって大きな成果を継続的に出す」ことです。
製品選びに迷わないよう、まず「導入目的」を定めておきましょう。本章ではそのイメージをつかんでいただくため、4つのよくある目的を挙げ、それにフィットする/特長を持つ製品を参考例として紹介します。
低予算・無料トライアル重視で選ぶ
- F‑RevoCRM:オープンソース型で、無料でも基本機能を利用可能。初期費用を抑えて段階的に運用を始めたい企業に向いています。
- Mazrica Sales:トライアル利用が可能で、UIが直感的。小規模組織でも導入のハードルが低く、費用対効果が期待できます。
- Pipedrive:営業パイプラインの可視化に特化した設計。日本語対応も進んでおり、SFA導入の入り口として有用です。
- Zoho CRM:無料プランでも主要な機能を網羅。柔軟なカスタマイズ性が評価されています。製品公式サイト:https://www.zoho.com/jp/crm/free-crm.html
営業支援(SFA)・商談進捗管理で選ぶ
- Salesforce Sales Cloud:世界中の企業で利用されており、商談ステージやKPI管理が視覚的に可能。成長企業や拡張性を求める企業に好適です。
- GENIEE SFA/CRM:国内ニーズに対応した設計。営業活動の進捗確認からマネジメントのPDCAサイクル実行までをサポートします。
- DRIVE SFA:スマホからの利用に強み。訪問営業など外出が多い業種で重宝される機能を備えます。
ECなどの業種特化・LINEなどマーケティング連携重視で選ぶ
- いえらぶCLOUD:不動産業向けに特化。LINE連携やMA機能を標準搭載し、顧客との接点強化を重視する企業にフィットする機能を備えます。
- クラウドサービスサスケ:SFA・MA・名刺管理など複数機能を統合。ECやLINEと連携しやすく、オンラインチャネルを活用したマーケ施策に有用です。
- GENIEE MA:ユーザーの行動データを元に自動施策を展開可能。BtoBマーケティングを強化したい企業に適しています。
- HubSpot CRM:外部ツールとの連携に優れ、LINE・Slack・Google Workspaceなどとの接続もスムーズに可能です。製品公式サイト:https://www.hubspot.jp/products/crm
AI分析・自動化重視で選ぶ
- ELTON:過去対応履歴から次のアクションをAIが提案する機能を搭載。業務の優先順位付けに役立ちます。
- カルティセールス:営業ナレッジの蓄積・展開をAIが支援。属人化の排除と再現性のある営業体制づくりに貢献します。
- Intercom:チャット対応を自動化するボットやレコメンド機能を搭載。顧客対応を省力化したい企業に需要が高まっています。
- ホットプロファイル:名刺管理・顧客分析・アプローチ自動化の各機能/プロセスを統合。営業活動全体の質を底上げできます。
「AI」ならばこちらも要チェックAIツールの主な機能、メリット/デメリット、選定ポイントを徹底解説
クラウド顧客管理システムの口コミ評価ランキング
口コミ評価CRM(顧客管理システム)「ユーザー満足度」ランキング TOP10
※本ランキングと製品満足度はのデータを利用しています。2025年3月時点