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» 2004年06月29日 18時31分 公開

P2P、「できることはみんなするでしょう?」

インターネット協会副理事長の高橋徹氏は、P2Pアプリケーションの利用について「できることはみんなするでしょう?」と、流通するコンテンツの中身はとにかく、P2P自体の利用自体がなくなる理由はないと指摘した。

[渡邊宏,ITmedia]

 「(技術的に)できることは、みんなするものでしょう?」――インターネット協会の副理事長、高橋徹氏は、P2Pアプリケーションの利用について、流通するコンテンツの中身はとにかく、P2P自体の利用自体がなくなることはないとの見解を示した。同氏が監修を務めたインターネット利用動向調査報告書「インターネット白書2004」(インプレス)の発表会見でのことだ。

photo インターネット協会 副理事長の高橋徹氏(左)とインプレス代表取締役 塚本慶一郎氏

 同白書によれば、P2Pアプリケーションの認知度は「知っている」が17.6%。前年度調査では25.0%で、前年対比では下がっている。だが、同白書ではこれをインターネット利用人口の拡大が原因で、P2Pアプリケーションを知らない初心者層の増加が認知度を引き下げたと分析している。

 6月28日にコンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)と日本レコード協会(RIAJ)が発表した調査結果でも、去年と比較してP2Pアプリケーションを「利用している/利用していた」というパーセンテージは上昇している。多摩美術大学教授という顔を持つ高橋氏も、「学生など若年層にはかなり認知されている」と話し、インターネットを積極的に使う層を中心に、P2Pの認知度は上昇していると見ている。

 しかし、同白書によれば、認知面はともかく、実際の利用率という点では昨年より低下しており、先日発表されたACCS・RIAJの調査結果でも同傾向を示している。ACCS・RIAJの調査では、P2Pアプリケーションでやりとりされているコンテンツの大半は他者の著作権を侵害するものだという結果も報告されており、利用率の低下は、こうした権利侵害に対する取締り強化が利用率の低下をもたらしたともいえそうだ。

 しかしこの点に関し高橋氏は、「逮捕者が出た際、トラフィックは低下したが、(技術的に)できることはみんなするもの」と指摘する。加えて、逮捕者が出るなどしながらも、P2Pアプリケーションの利用がなくならない点に触れ、「一対一というコミュニケーションの原点に戻る動きとも言える」と、Webページに代表される一対多というコミュニケーションが隆盛を誇った時代から、P2Pという一対一のコミュニケーションが見直される時代になったとの感想を述べている。

 また、「今後は携帯電話を利用し、映像のやりとりをP2Pで行うという形が増えていくのでは」とも述べており、PCのみならず、高速化が進む携帯電話でもP2Pによるユーザーコミュニケーションが発展していくのではないかと予想していた。

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