合法的な音楽ダウンロードサイトが各国で普及し、デジタルで音楽を購入するユーザーが増える中、インターネットと携帯電話での音楽利用はコンシューマーの生活の中で主流になりつつある――。音楽業界団体International Federation of the Phonographic Industry(IFPI)が1月19日発行した報告書でこう指摘した。
報告書では、音楽業界のデジタル戦略と、ネットおよび携帯電話での音楽配信動向についてまとめた。それによると、米国と欧州で2004年中にダウンロードされた楽曲は2億曲を突破、2003年の2000万曲から10倍に増えた。これによってレコード会社のデジタル販売による売り上げは初めて数百万ドル規模に到達。調査会社Jupiterの推計によれば、2004年のデジタル音楽市場規模は3億3000万ドル、2005年には倍増が見込まれている。
合法的な音楽販売サイトの数は1年前の50から、現在は30カ国以上で230強にまで増加した。
デジタル音楽に対するコンシューマーの姿勢にも変化が見られるが、デジタル音楽の普及と海賊版への対抗に向けて、まだやるべきことは多いと報告書は指摘。楽曲のダウンロードを利用しているのはまだ10人中1人足らずで、16〜29歳の層のうち、音楽をオンラインで合法的に買う手段について知っているのは半数にとどまっているという。
海賊版問題に関しては、ファイル交換で許可なく音楽を入手するのが違法だと知っているのは10人中7人で、音楽業界が法的措置に出る以前よりも認識が高まったとして法的措置の効果を強調。2005年1月にインターネットで出回った違法音楽ファイルの総数は、各国でブロードバンドが普及したにもかかわらず、1年前よりわずかに減って8億7000万曲にとどまったとしている。
違法に音楽をアップロードしているユーザーに対して起こされた法的措置は、これまで欧州と北米の8カ国で7000件以上。今年はさらに多くの国で法的措置に持ち込む構えを示している。
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