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“わかりやすさ”を追求したデジタル放送対応3 in 1、ソニー「RDZ-D60V」(2/4 ページ)

» 2006年09月08日 19時47分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

録画機能は簡略化、ダビング用途に的を絞ったVHS部

 3in1レコーダーとしてまず気になるのがVHSデッキ部だろう。本製品ではデジタル放送対応ではあるが、ユーザーインタフェースなどを見る限り、ベースとなったのは、デジタル放送非対応ながら同じく3in1レコーダーである「RDR-VH95/85」といえる。

 VHSデッキの機能は、従来機よりも簡略化された部分がある。まず、予約録画機能が省略され、録画は手動操作のみ。これに伴い、地上波アナログチューナーは1系統となり、VHSとHDD(またはDVD)の2番組同時録画機能がなくなった。

 少々もったいない気もするが、デジタル放送対応のレコーダーにおいてVHSテープへの録画は緊急時にしか利用されないと思われるので、大きなマイナス材料ではないだろう。「RDR-VH95/85」ではHDD/DVD専用、HDD/DVD/VHS用と分かれていた映像出力は、既に触れた通りHDMIやD出力でも可能だ。これは、VHSデッキ部の録画機能の簡略化とも無縁ではない。VHSデッキからの代替ユーザーにとってはむしろわかりやすくなったといえるのではないだろうか。

 ダビングに関しては、HDD、DVDともに一元管理されており、“ダビング元”または“ダビング先”としてVHSを指定するだけで、HDD、DVDとの相互ダビングが行える。ただし、HDDやDVDからVHSへのダビングを行う場合には1番組ずつとなり、複数の番組をまとめてダビングといったことは行なえない。もっとも、今から3in1レコーダーを購入する人は、過去に録画したテープの再生やDVDへのダビング、あるいはレンタルビデオの再生が主と思われるので、多機能であることより、操作が一元化されているという点を評価すべきだと思う。

photophoto ダビングではVHSもHDD、DVDと同列に扱われ、操作性も基本的には変わらない。ただし、操作対象がVHSになっているとメニュー操作自体が拒否されるので、操作対象をHDDまたはDVDに指定した状態でダビング操作も開始する必要がある。警告するくらいなら自動で切り替えてくれてもいいと思うのだが……

デジタル/アナログ放送をシームレスに管理

 HDD/DVDレコーダーとしての機能も基本的にはシンプルだ。“XMB”採用以前の「スゴ録」に似たトップメニューを備え、メニュー構成は基本的にRDR-VH95/85に準じている。ほかのデジタル放送対応スゴ録シリーズとは機能的にも操作性も異なる部分が多く、この点は購入時に注意すべき部分といえるだろう。

 録画は同時1番組のみとなり、デジタル放送対応レコーダーに多いデジタル+アナログの2番組同時録画にも対応しない。録画機能に関しては、いたってシンプルだ。代わりというわけではないが、録画予約を休止する機能を備えた。たとえば、番組改編期に普段毎週録画している番組の代わりに特別番組を録画する、といった場合などには、普段の録画予約の設定内容を保持したまま、録画時間が重なる別の番組を録画予約できる。

 また、デジタル放送の予約録画では時間変更に自動追従することはもちろん、アナログ放送でも毎日、毎週予約などを行なっているドラマの最終回などでの放送時間拡大への追従、スポーツ中継の延長などによる放送時間のズレが生じる番組の録画予約時の事前警告機能など、予約録画機能に関してはツボはおさえている。

photophoto トップメニューは縦にならぶ、初期のスゴ録に似たタイプ。ちょっと懐かしい印象を受ける(左)。右のように、録画時間の重複する録画予約を行なおうとすると、予約済みの方を休止し、新しい予約を有効にできる。番組改変期や特別番組の予約には便利な機能だ

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