さまざまな「写真展」を随時案内していく本コーナー。銀座ニコンサロンで、2016年6月8日から開催する「山を蝕(は) む」を紹介する。
つい最近まで、人びとは神仏や自然を恐れこれらに従順に服従していたが、今では人間が自らの力を信じる時代になった。
人間は、自己の欲求を満たすため、資源採掘、治山、道路建設などを行い、生活の利便性のため一方的に自然を開発・支配し、ねじ伏せる。しかも、重機を使用し山を刻んでいくがゆえにその変貌は急で、今日我々が目にするシーンも明日にはまた違ったものとなる。
これら人間の自然への挑戦が進歩・文明だと言われているが、一旦、削り取られた山肌の回復は至難のことだ。人間の独善的な自然支配がどこまで許されるのだろうかと作者は思う。
日本人は、わが国が山と海という自然、そして四季の移りの美しさに恵まれているのに当たり前のこととしてそれには気がつかないでいる。山が草木や昆虫や動物もいない「沈黙」の場所になってしまわないだろうか。
これは単に自分の考えすぎであって、人間の英知は必ずやこれらの問題を克服し、自然とうまくやっていくだろうと作者は期待をしているのだが。
カラー40点。
竹田 義之(タケダ ヨシユキ)
1946年兵庫県神戸市生まれ。96年から写真家・有野永霧氏に師事。また、京都造形芸術大学写真学科(通信制) で写真への研鎖を深める。主な写真展(個展)に2011年「ゴンの世界」がある。
名称 | 山を蝕(は) む |
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開催期間 | 2016年6月8日(水)〜6月21日(火) |
開館時間 | 10時30分〜18時30分(最終日15時まで) |
定休日 | 会期中無休 |
入場 | 無料 |
会場 | 銀座ニコンサロン |
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