特集

輸入音楽CDは買えなくなるのか?

国会で審議が進められている著作権法の改正によって、邦楽CDの還流版だけでなく、洋楽CDの並行輸入にも規制の網がかかり、ユーザーが自由にCDを選べなくなる可能性が出てきた。この法改正がどういう経緯で進められ、関係者が今、それをどのように見ているのか。まもなく始まる衆議院での審議を前に、まとめてみた。

連載

第1回:あらゆる輸入音楽CDに規制を?――危険な著作権法改正が進行中
「輸入CDが買えなくなるかもしれない」――音楽業界関係者たちの間でそんな危惧が持ち上がっている。現在、国会で審議されている著作権法の改正が、その理由だ。邦楽CDの還流阻止を目的として行われる法改正が、いつの間にか、あらゆる輸入CDを対象とするよう、すり替わっていたというのだ。


第2回:「副作用」は覚悟していた――文化庁に聞く著作権法改正の舞台裏
輸入CDが自由に買えなくなるかもしれない。この問題を浮上させたのは、現在国会で審議中の著作権法改正だ。なぜこの法案は起案されたのか。その影響は予見した上でのことなのか。文化庁の担当者に話を聞いた。


第3回:「求めたのは還流阻止。CDでは他に方法がなかった」――レコ協に聞く
今回の著作権法改正では、レコード業界、中でも日本レコード協会が輸入権の導入を積極的に働きかけたという。レコ協はどういう意図でそれを望んだのか。他に方法はなかったのか、同協会に尋ねてみた。


最終回:日本のCD価格は安くなる?――法改正がもたらすエンドユーザー利益の真偽
著作権法改正問題について、ここまで文化庁や日本レコード協会にその意図を聞いてきた。今回は消費者団体などの意見を聞き、法改正が最終的に日本のユーザーの利益につながるものなのか、考えてみたい。


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