夏の新製品にも「ネット機能」と「DEPG」を?〜東芝(2/2 ページ)
アテネオリンピックの開催を控え、ハイブリッドレコーダー市場はかつてない活況を呈している。しかし、ネットワーク対応など付加価値的な機能が見受けられないのは気になるところだ。エントリーモデル「RD-XS33」を発表したばかりの東芝に、新製品の概要と夏商戦に対するアプローチを聞いた。
もう一つの新しい機能が、長時間記録モードだ。他社製品でも1枚のDVDに6〜8時間の録画が可能な長時間モードを搭載するケースが増えているが、RD-XS33にも平均1MbpsのVBR記録を行う「MN1.0」モードが用意された。
MN1.0モードでは、ディスク1枚に最大8時間、160Gバイトの内蔵HDDなら最大約284時間の録画が可能になる。もっとも、MPEG-2としては情報量がかなり少なくなるため、画質に対して過度の期待は持たないほうがいいかもしれない。「動きをあまり伴わない番組を、たくさん録画する人には向いている」(同氏)。
ただし、RD-XS33の長時間モードには、他社製品にはないメリットがある。それは、「MN1.0モードでも、音声にリニアPCMを使える」という点だ。他社製品でもリニアPCMに対応したものは多いが、SP(DVD1枚に2時間)もしくはXP(同1時間)モードのときにしか選択できないケースがほとんど。
「たとえば音楽番組など、音重視のコンテンツを録りためたいときに便利だろう。使い方はユーザー次第で広がる。うまく使ってほしい機能の1つだ」(同氏)。
夏モデルに「DEPG」は?
「ネット de ナビ」を持たないRD-XS33の場合、録画予約は手入力か「Gコード」となり、やはり電子番組表が搭載されなかったのは少々残念。とくに東芝の場合は、「RD-X4」の「機能拡張キット」にあわせ、独自の電子番組表「DEPG」を始めたばかり。コストの問題はともかく、今後は下位機種への導入も期待される。
青山氏は、「ユーザー層が広がると、どうしても“アンテナだけつないでもダメなんでしょ?”と言う人が増えてくる。ネットワーク機能が購入の障壁になるというのは事実だ。しかし、DEPGは多チャンネル対応と情報量の多さで圧倒的に便利。使い勝手の良さがわかれば、“接続の壁”を乗り越えてくれるのでは」として、今後の方向性を示唆した。
「電子番組表には、G-GuideやADAMSという選択肢もあるが、広告表示や対応する放送といった面で制限が多い。一方、多チャンネル時代には一覧性が重要になるが、地上波を使うEPGでは今のところ難しい。ならば、ということで作ったのがDEPGだ」。
気になるのは今後のラインアップだが、「少なくとも最上位のXシリーズは、オリンピック商戦のタイミングでは出ない」(同氏)という。エントリーモデルには既に「RD-XS33」が加わっているため、現在の「RD-XS35/41」にあたるミッドレンジ機がモデルチェンジされるのでは、と予想される。
独自路線を歩む東芝が、夏商戦をどう戦うのか。まずは“夏モデル”の発表に注目が集まりそうだ。
関連記事
- 東芝、RDシリーズに薄型の普及モデル「RD-XS33」を追加
- 多チャンネル時代のEPG「DEPG」を使う
東芝「RD-X4」の機能拡張キットが発売された。機能拡張キットは、テレビ画面で操作できる電子番組表「DEPG」をはじめ、フォルダ機能、DVD-RWのVRモードなど多くの機能を追加してくれる拡張ソフトウェアだ。特に多くの専門チャンネルをカバーしている点は、多チャンネル放送を視聴しているユーザーに福音だ。 - 東芝、RD-X4の「機能拡張キット」を4月27日に発売
- “コダワリ”に対する評価が選択のポ
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.