1インチ1万円以下――エプソン、57/47V型PTVを直販で国内投入
セイコーエプソンが、プロジェクションTV(PTV)で国内TV市場に本格参入。独自液晶デバイスを使った「LIVINGSTATION(リビングステーション)」は、57V型が56万円で47V型が46万円と“1インチ1万円”を切る低価格。販売はエプソンダイレクトを通じての直販のみ。
セイコーエプソンは5月31日、国内の家庭用TV市場に本格参入すると発表。第一弾として、大画面プロジェクションTV(PTV)「LIVINGSTATION(リビングステーション)」2機種を、同社100%子会社でPC直販を行うエプソンダイレクトを通じて発売する。本日から受注を開始、直販価格は57V型の「ELS-57P1」が56万円、47V型の「ELS-47P1」が46万円と、1インチ1万円を切る低価格を実現した。
LIVINGSTATIONは、今年2月から北米で発売している同名シリーズを日本向けにアレンジしたもの。同社独自の高温ポリシリコンTFT液晶パネル(HTPS)3枚を搭載し、液晶パネルに光を当てて画面の裏から映像を投射するリアプロジェクション(リアプロ)方式を採用。HTPSのサイズは0.7インチ(1280×720ピクセル)で、BS/110度CS/地上デジタルのハイビジョン放送に対応する。コントラスト比は800対1。
北米では店頭販売を行っているが、日本ではエプソンダイレクトの専用サイト(http://livingstation.jp)でのダイレクト販売方式のみに限定した。そのため価格には、LIVINGSTATIONの配送/設置/配線/梱包箱処理といったサービス料金も含まれており、そのぶん北米価格(57V型が3999ドル、47V型3499ドル)よりもやや高めに設定されている。同サイトでの受注は本日から開始。エプソンダイレクトや同社のショールーム(エプソンスクエア、エプソンイメージングギャラリー“epSITE”)でLIVINGSTATIONを展示し、随時展示場所を拡大する予定。
サイズは57V型ELS-57P1が1382(幅)×1004(高さ)×413(奥行き)ミリ(47V型ELS-47P1は1161×879×377ミリ)と従来のCRT方式リアプロに比べて薄型コンパクトになっている。重さは57V型で約56キロ(47V型は48キロ)。
本体前面下部に熱昇華方式プリンタとメモリーカードスロット(SDメモリーカード/メモリースティック/コンパクトフラッシュ/スマートメディア対応)を装備。デジカメなどで撮影したメモリカード内の画像やTV映像を印刷できる。解像度は300dpiで、用紙は最大でハガキサイズ(100×150ミリ)まで印刷可能。
TV視聴時の消費電力は約180ワット(プリンタ動作+映像表示時は約280ワット)と、プラズマTV(50V型)の半分以下で液晶TV(37V型)と同等の低消費電力設計になっている。映像入力端子はビデオ3系統(Sビデオ×3)、コンポーネント3系統(D4端子×2、コンポジット×1)のほか、DVI-HDTV端子やアナログRGB端子も装備した。
「フロントプロジェクターで培ったコア技術を利用してプロジェクションTVを展開。ホームTV市場は、放送やDVDコンテンツなどデジタル化が進んでおり、大画面ニーズも急速に拡大している。TVという(当社にとって)新しいマーケットでも、独自コア技術を生かすことで進出できる。TV市場でエプソンというブランドを認知してもらい、マーケットでのプレゼンスを確立していきたい」(同社副社長の丹羽憲夫氏)
なお、詳細記事は追って掲載する予定。
関連記事
- 大画面TV競争の“ダークホース”――「リアプロ」の可能性
日本のリビングにベストサイズな30〜40インチ前後の大画面TV。だがその選択肢は、現在のところ高価なプラズマ/液晶TVしかない。だが、この“薄型TV”たちも1〜2年後には大画面TVの主役ではなくなるかもしれない。そのカギは「リアプロジェクションTV(リアプロ)」が握っている。 - EDEX2004にみる“これからのテレビ”
- セイコーエプソン、北米でリアプロジェクションTV発売
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.