リビングで快適なHDDジュークボックス――パイオニア「X-AM1」:レビュー Any Music(2)(2/2 ページ)
Any Musicがスタート。いよいよネットで曲を買う時代がやってきた。Any Musicが提供するサービスについては前回のレビューで紹介したが、今回はパイオニア製「X-AM1」を使い、どんなことがAny Music対応機で楽しめるのかを確認しよう。
CD→HDD録音の際には、フォーマットとしてATRAC3/PCMが選択可能で、ATRAC3録音の際にはビットレートも132/105/66kbpsから選択できる。CDDBにも対応しており、インターネットに接続されていれば、アルバムタイトル・アーティスト名・曲名などは自動的に入力される。
15曲収録、総再生時間75分12秒のアルバム「Utada Hikaru SINGLE COLLECTION Vol.1 」をHDDへATRAC3/132kbpsで収録してみたところ、所要時間は約9分だった(ディスプレイON、再生OFF)。
「Utada Hikaru SINGLE COLLECTION Vol.1」はCD-DAだったが、CCCDやレーベルゲートCDではどうだろうか。CCCDの「Memorial Address」(浜崎あゆみ)とレーベルゲートCD2の「Tommy airline」(Tommy February6)で再生とHDDへの収録を試してみた。
CD-DA以外の再生、HDDへのコピーは原則としてサポート外となっているが、試してみたところ、双方とも再生およびHDDへの収録を問題なく行うことができた。しかし、「ENEMY OF THE ENEMY」(ASIAN DUB FOUNDATION)は再生こそ問題はなかったものの、HDDへのコピーを試みたところ、「録音できない曲があります」とのメッセージが出てしまい、HDDへの収録を行うことはできなかった。
ちなみに、CD-R/RWに記録されたMP3ファイルのHDDへのコピーは不可能(CD-R/RWメディアのMP3ファイル再生は可能)。CD-R/RWに作り込んだMP3ファイルのマイベストなどをHDDへ収録するといった使い方ができないのは残念だ。
HDDジュークボックスの表示・編集――検索にはもうひとひねり欲しい
40Gバイトの容量があるので、ATARC3 66kbpsで録音を行えば最長1170時間もの録音が可能。それだけに表示方法を含めた使い勝手は大切だ。
「HDDジュークボックス」画面でリモコンの「ツール」ボタンを押すと、表示モードの切り替えが可能で、「フォルダ」「アーティスト」「ジャンル」「ランキング」の各モードを表示させることができる。
フォルダ表示の場合には「フォルダ」→「アルバム」→「曲名」、アーティスト表示の場合には「アーティスト」→「アルバム」→「曲名」のようなツリー形式で表示が行われる。こうした表示方式ならば、直感的な操作が可能だ。
しかし、Any Musicでダウンロード購入した楽曲の場合、その楽曲は「DLアルバム」フォルダで一括管理されてしまい、CDから取り込んだ楽曲のように自動的にジュークボックスの表示分類には反映されることがない。
下の画面はAny Musicで宇多田ヒカルの「誰かの願いが叶うころ」を購入した後、HDDジュークボックスの表示を「アーティスト」に切り替え、「宇多田ヒカル」を選択したところだが、表示されているのはCDからコピーしたアルバムのみで、購入したシングル曲は画面に現れていない。
「DLアルバム」には「ツール」→「モード切り替え」→「Any Music」とたどることができるが、検索性はHDDジュークボックスにとって使い勝手の生命線ともいえるところ。ダウンロード購入/CDからのコピーに関わらず、アーティスト名やジャンルからの一括検索が可能になっている方が使いやすい。
HDDに収録した曲のタイトルやフォルダ名を編集することもできる。また、好きな曲を「お気に入り」登録することによって、マイベストを作成することができるほか、アルバム内の曲移動・結合といった編集を行うこともできる。この辺りはHDD搭載のDVDレコーダーに近い操作感覚だ。
しかし、DLフォルダ、DLアルバム、ダウンロード購入した楽曲の編集や移動は不可能。上記の表示方式も含め、HDDジュークボックスとしてのダウンロード楽曲とCDからのコピー楽曲をもう少しシームレスに扱うことができればと思う。
次回はメモリースティックを用いた外部転送や、周辺機器の接続について検証してみたい。
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