プラズマ/液晶は“これからのテレビ”に相応しい?(2/2 ページ)
プラズマ/液晶といった薄型大画面テレビは“これからのテレビ”としての表現能力を備えているのだろうか。この疑問にAV評論家の麻倉怜士氏が鋭い視点で答える。また、液晶/プラズマを超える“最高の表現テレビ”として麻倉氏が大絶賛する次世代ディスプレイとは?
液晶/プラズマともに一長一短で“これからのテレビ”としての決め手に欠ける。そんな辛口批評の麻倉氏をもってして「感動した」と言わしめたディスプレイがある――。それが「FED(フィールドエミッションディスプレイ)」だ。
フラットパネルディスプレイとCRTの“いいトコ取り”をしたFEDは、CRT並みの応答性/色再現性を厚さ10ミリ程度の薄型テレビで可能にする期待の技術。CRTと発光原理が同じなため、自発光ならではの高視野角/高コントラストと自然で鮮明な奥行き感のある映像と“これからのテレビ”としての資質を兼ね備えた次世代ディスプレイだ。
フラットパネルディスプレイ製造技術展では、FEDの第一人者である双葉電子工業が、多彩なサイズのFEDを参考出展していた(7月2日の記事参照)。
「先日、双葉電子工業のFEDを日本画質学会の研究会で持ち込んでもらった。研究会には液晶/プラズマ両グループが山ほど出席していたのだが、FEDの画質にみな感動して『もう液晶/プラズマの時代じゃない。これからのテレビはFEDで決まりだ』ということで意見が一致した」
麻倉氏はFEDの優れた点として、自発光で非常に目に優しく大画面時の動画特性も良好な点や、なにより表現映像に重要な階調性が秀逸な点を挙げる。
「ブラウン管は階調性はいいがフォーカスが甘かった。だが、FEDは階調性だけでなくフォーカス感も優れている。やはり自発光で絵が出るのが人間の目に一番適している。液晶/プラズマでやっている限りはなかなか“表現映像”まで到達できない。双葉電子工業がFEDを車載用として考え、家庭用テレビとして展開する気がまったくないのが残念。国内大手メーカーには、液晶/プラズマで稼いでもらい、次世代の“最高の表現テレビ”FED開発の資金に充ててもらいたい」
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