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ホームシアターを始める人のための「スクリーンの“いろは”」劇場がある暮らし――Theater Style (2/3 ページ)

ホームシアターで欠かせないスクリーン。種類や生地素材によって映像の見え方や使い勝手が大きく左右されるほか、プロジェクターの高性能化などでその選び方も変化してきている。スクリーン最新事情や正しい選び方を、専業メーカー・キクチ科学研究所に聞いた。

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 だがユーザー層の広がりに伴って、価格の安さと移動・設置のしやすさで最近ポピュラーになっているのが掛図タイプの壁掛けスクリーン。専用シアタールームを持たないカジュアルシアター派に人気で、販売店では8割以上がこの壁掛け型というところもある。

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最近ポピュラーな掛図タイプの壁掛けスクリーン。写真はキクチ科学研究所のNEW壁掛けホワイトマット

 「確かに、当社でも最近は壁掛け型の出荷が大幅に増えている。三脚スタンドを使って設置する方法もあるが、壁にフックを付けて掛けたり、カーテンレールに引っ掛けて利用するユーザーが多い。だが、意外と収納(巻き取り)が面倒で、変な巻き方をすると生地が折れてしまうこともある。収納が面倒なので、壁掛け型を出しっぱなしというケースも多いと聞く。手で巻き取る大きさにも限界があるので、実用的な画面サイズは100インチまでとなる」(山下氏)

 そこで最近注目されているのが、立ち上げ・自立型の床置きタイプ。設置工事が不要で、視聴した後はケースに巻き取って収納されるので、リビングにも置けるほかに機械で均等に巻き取ることができるので生地に折れ目が発生するということもない。

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立ち上げ・自立型の床置きタイプ。写真はキクチ科学研究所「UP-90HDG」

 ただし、従来の床置きタイプはスクリーンの持ち上げをアシストするスプリング式のテンションアームといった機構を内蔵するため、重さが20〜30キロ前後となって実際には固定利用が中心だった。また機構が複雑なため、価格も10万〜20万円台と他のタイプに比べて高価になってしまうのも欠点だ。

 だがメーカー側も、時代のニーズに合わせた新世代のスクリーンを市場に投入し始めている。

 今年5月に発売したキクチ科学研究所の「Stylist」シリーズは、立ち上げ・自立型の床置きタイプながら、実売6万5000円前後という低価格と、従来の半分以下の8.2キロという重さを実現したニューフェイスだ。カラーリングも4色のバリエーションが用意され、従来のOA機器ライクなデザインではなく、インテリアとの調和を考えたものになっている。

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低価格で軽量な「Stylist」シリーズ

 「スクリーンを持ち上げる機構を省くことで、コストダウンと軽量化を図った。設置時には一手間かかるが、軽量な分、部屋を移動して設置することも簡単になった。リビングで視聴して、見終わったら収納するカジュアルシアター派に受けており、発売以来引き合いも多い。Stylistシリーズのように、今後はユーザー層や視聴方法の変化に合わせたスクリーンをどんどん市場に投入していく予定」(山下氏)

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