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「国内市場には必ず戻ってきます」――ソニーのリアプロTV戦略劇場がある暮らし――Theater Style(2/3 ページ)

ソニーが先日、期待の新デバイス「SXRD」を搭載したリアプロTVを米国で発表した。米国市場ではすでに、クリスマス商戦向けに液晶リアプロTV新モデルも投入。「そろそろ日本にもリアプロTVの新製品?」との期待も大きい。ソニーのリアプロTV事業戦略について話を聞いた。

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米国でヒットモデルとなった液晶グランドベガ WEシリーズ。ブルーレイからハイビジョン映像を表示している。写真は50インチの「KDF-50WE610」。米国では3300ドル(約36万円)前後で販売されている。

 米国/欧州/アジアときたら「いよいよ日本にも」と期待が高まるところだ。

 「日本はほかの地域とマーケットの状況が違うと見ている。過去に、CRT方式のリアプロTVを各社が国内で仕掛けてうまくいかなかったという苦い教訓もあり、ユーザー側も“視野角が狭い/周辺部がボケる/奥行きがあってデカイ”というCRT方式の悪いイメージが払拭されていない。そして日本では、大画面テレビで液晶/プラズマが先行してしまっているのもウィークポイント」

 もっとも、エレクトロニクス先進国の日本市場で成功することが、全世界普及に向けての大きなステップになることは同社も十分認識している。

 「日本でもリアプロTVのニーズはあると我々は考えている。ただし、単純に米国のモデルを日本市場に持ってくるのではなく、導入にあたっては何かしらの施策を打たないといけない。先行する液晶/プラズマに対してどんな訴求をするのか。リアプロTVの持つ後ろ向きなイメージも含めて、なにか仕掛けを打ちたいなと思っている。早く出したいのはやまやま。社内からもプレッシャーがかかっています(笑)」

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WEシリーズの背面。奥行きは写真の50インチで45センチとなる。「42インチでは奥行き38センチとなり、DVDレコーダーやビデオデッキの奥行きとほぼ同じになる。テレビの下にはこれら録画機器を置いているケースが多い。つまり、従来の設置環境で十分に置ける奥行きになっているのがマイクロデバイス方式リアプロの特徴」(同社)

「やはりテレビは黒にこだわりたい」

 同社はリアプロ向けデバイスとして、従来からの透過型高温ポリシリコン液晶と、冒頭に紹介したSXRDの2つを持つ。一方、リアプロTV市場では、DLP方式を採用するメーカーも増えている。

 「明るさからエンジン部などの性能を含めて、現時点でトータルなバランスが一番いいのは透過型液晶方式。コストパフォーマンスがリアプロの魅力だが、低価格を可能にするのも現時点では透過型液晶方式が最も適している。DLP方式と比較した場合、数値上のコントラスト比では確かに下回るが、トータルの画質では3板式の液晶だからこそキレイな映像が出ていると確信している。DLPも3板にすれば液晶以上の画質が見込めるだろうが、コスト面でおそらく普及価格帯では当分3板式は出てこないだろう」

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