NECエレクトロニクスは9月24日、HD DVDに対応した特定用途一般顧客向けLSI(ASSP)を業界で初めて開発したと発表した。NECと共同開発したもので、NEC製ドライブに採用される予定。
HD DVDの最大2倍速記録・再生に対応。同社製の現行DVD向けシステムLSIと組み合わせることで、DVD±R/RW、CD-R/RWと互換性を持たせることも可能だ。
NECエレクトロニクスは、DVD向けシステムLSIの世界最大手。次世代光ディスク市場は2007年から2008年にも立ち上がると見ており、専用システムLSIの投入で早期の製品化を後押しする。
HD DVDは東芝とNECが推進する次世代光ディスク規格。1枚当たり最大15Gバイトの記録容量を持つ。8月には三洋電機がHD DVD陣営に参加を表明するなど、ソニーと松下電器産業らが推すBlu-ray Discとの綱引きが激しさを増している。
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