“大画面の三菱”の復活は「リアプロTV」から:劇場がある暮らし――Theater Style(3/3 ページ)
プラズマなど薄型テレビ全盛の今、“大画面の三菱”というフレーズをあまり聞かなくなった。その三菱が大画面の切り札としてリアプロTVを今年度内に国内で展開するという。リアプロTVの可能性や独自技術について話を聞いた。
「また、テレビとして利用するときは、明所コントラスト比に優れたリアプロTVの方が絶対的に有利。寿命も、1万5000時間ほどで半減が始まるプラズマはこれから問題になるだろう。リアプロTVはランプ寿命がネックだが、米国の販売店では『プラズマは寿命がくると全部買い換えとなるが、リアプロTVはランプを交換するだけで新品になる』といったセールストークをしている」
弱点の“奥行き”もいずれ克服
コスト/画質/寿命といった部分でプラズマに真っ向勝負できるリアプロTVのウィークポイントが「本体サイズ」だ。特に奥行きサイズの大きさ(厚さ)は、米国に比べてリビングスペースの狭い日本では大きなネックになるといわれてきた。
だがこの弱点も、同社の光学エンジン技術が解決してくれそうだ。
同社は今年5月に、プラズマ/液晶テレビ(設置時)に匹敵する奥行きのリアプロTVも実現可能な「DLP超広角光学エンジン」の開発表明を行った(詳細は別記事を参照)。
レンズと非球面ミラーを組み合わせることで最大画角を160度(非球面ミラー無しの従来型は80度前後)と大幅に広角化。より斜め方向からの投写が行えるようになり、テレビ台/スタンドなどを含めた設置時でプラズマ/液晶に匹敵する奥行き20センチ以下の薄型サイズが可能になったという。
「従来のように投射レンズだけで薄型サイズを構成すると、広角レンズによって虹のように0.5画素ぐらい色がズレて出る『色割れ(色収差)』が発生していた。だが新開発のDLP超広角光学エンジンは、反射ミラーで拡大するために色収差が発生しないのがポイント。課題は、スクリーンの平面性維持と非球面ミラーの安定した生産体制の確立。逆にこの2つがクリアできれば、すぐにでも量産できるだろう」
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