“逆見本市”で商談中のロボットを見てきたのだ:こばやしゆたか(2/2 ページ)
川崎市産業振興会館で「ロボット&レスキューシステム逆見本市」が開催。われわれの安全・安心に貢献しそうなロボットやレスキューシステムを見てきた。
タウ技研は、瓦礫の中の人間を探し出すセンサーを展示していた。
パルス状の電磁波を発射し、帰って来るまでの時間や強さを測定することで、そこにあるものの位置や動きをすることができる。さらにそこから人間の呼吸動作に特徴的な動きを抽出すれば、人間を探し出せるというわけ(呼吸の状態もわかる)。
実は、これは地雷探知のために作られたものなのだそうだ。この記事の最初の写真で土のうえにかざしている箱の中身が、このセンサーだ。ただし、地雷探知の箱は、センサーをアレイにしているので、ずっと大きい。
富士通研究所は、プレゼンテーションという形で、新しいロボット「FSR(仮)」(*3)を発表していた。オフィスや商業施設などで人の案内をしたり台車で荷物を運んだりといったことができる。空港でチケットをみせると、荷物を運びながら案内をするポーターロボットなんていうのが提案されていた。
身長は130センチ。肩幅は64.4センチ。体重65キロ。車輪をつかって時速3キロで移動する。1センチの段差は越えられる。アームは腕4自由度+手1自由度。ステレオ視覚を持っていて、物体を3次元認識する。「台車」を3次元データとして覚えさせておけば、台車を上に物がのっていても探し出して、それを転がすということができる。また、エレベータのボタンをおして、扉が開くまで待っていて、開いたら乗り込む(*4)というVTRを見せてくれた。
2005年の6月には、200万円くらいで発売したいそうだ(「予定する」とまでは言えない)。
*3 Fujitsu Service Robot の略。たしかに仮称っぽい名前だ。
*4 乗り越えられる段差の1センチというのは、こどもが手を突っ込んでふまれないようにしたいというような安全面からの制約なのだそうだけど、うっかりするとエレベータの乗り口の段差は1センチ以上ある。このあたりがむずかしい。
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