今度の「PSX」は“自動”娯楽マシン:ファーストインプレッション(2/2 ページ)
12月に登場する新型「PSX」の目玉は、「x-アプリ」と呼ばれるエンターテインメントアプリケーション群だ。番組録画のほか、音楽や写真などの素材を入れると、x-アプリが勝手にアレンジして、とにかく手間をかけずに楽しめるという。その詳細をソニーに聞いた。
デジカメで撮影した画像などを取り込み、テレビ画面で楽しめるのもPSXの特徴。だが新製品では、写真素材に楽曲やエフェクトをくわえて「あたかもプロモーションビデオのような」オリジナル映像作品を自動作成するアプリケーションが付属する。これが「x-Pict Story」だ。
「従来のPSXでも無音のスライドショーは可能だったが、x-Pict Storyは音楽の抑揚に合わせて自動的にエフェクトを付加してくれる。結果をすぐに参照できるのは、PS2のEEGSを持つPSXならでは」。
ユーザーが行う作業は、曲と写真フォルダを選択するだけ。x-Pict Storyは、ズームやパンなど多彩なエフェクトをくわえるため、カメラワークも異なる印象の映像に仕上がる。なお、出来上がった作品は、「保存」するとMPEG-2にエンコードされるため、DVDメディアに焼くことができる。
夜の新橋で何が起こる?〜「x-DJ」
最後の「x-DJ」は、HDD内に保存してある音楽ファイルを“DJ”のようにミキシングしながら自動演奏するアプリケーション。実はPlaystation 2用ソフトとして販売されている「DJbox」の“自動演奏機能”をPSX向けにアレンジしたものだ。
ユーザーは、「HOT」「COOL」「RAKUEN」「SPLASH」などの“プレイリスト”から、そのときの気分やシチュエーションに合いそうなキーワードを選択するだけ。PSXが自動的に曲をチョイスし、MCやサウンドエフェクトをくわえつつ、次々と曲を再生してくれる。感覚としては、FMラジオを聞いているようなものだ。
テレビ画面には、曲と連動した「ビジュアライザー」(音楽ソフトの“スキン”のようなもの)を表示する。ビジュアライザーには「ターンテーブル」や「ロボット」など複数のテーマを用意。またユーザーは、リモコンやコントローラを使ってミキシングに参加することも可能だ。スクラッチやピッチコントロールなどを使い、ちょっとしたDJ気分が味わえる。
なお、いくつかの「隠れプレイリスト」も仕込まれているらしい。隠れプレイリストは、楽曲のジャンルや曜日、時間といった複数の条件が揃って初めて現れるもの。つまり、ある日突然、時間限定で出現するという。「隠れプレイリストについては、PSXのホームページで随時ヒントを出していく」(同社)。
ちなみに、演歌をHDDに保存していると、「新橋23時」という珍妙なプレイリストが出現するらしい。MCは酔っぱらいのサラリーマンか?
新「PSX」2機種は12月上旬に発売予定。いずれもオープン価格だが、実売予想価格は、250GバイトHDDを搭載した「DESR-7500」が9万円前後、160GバイトHDDを搭載した「DESR-5500」が7万円前後になる見込みだ。
DESR-7500は、BSアナログチューナーやゴーストリダクション回路のほか、IEEE 1394端子を備え、DV映像を自動ダビング可能。それ以外の仕様はほぼ共通となっている(関連記事)。
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