軽快な動作が魅力なHDD搭載ポータブルAVプレーヤー――「Zen Portable Media Center」:レビュー(4/4 ページ)
クリエイティブメディアの「Zen Portable Media Center」は、Windows Mobileを搭載したポータブルAVプレーヤー。軽快な動作が魅力な本製品をチェックしてみた。
ちなみに、付属のヘッドフォンはどうやらMuVoシリーズに付属するものと同じようだ。試聴してみると、中低域が弱く感じると同時に、インナーイヤーが大きすぎるためか耳が痛くなってしまった。筆者が普段使っている「MDR-EX71SL」と交換してみたら、中低域の弱さも感じなくなった。お気に入りのヘッドフォンがあるならば、交換をお勧めする。
静止画の表示も音楽と同様、自動的に「日付順」「名前順」とソートされ、各ファイルはサムネイル表示もされる。WMP10側でフォルダ管理を行っていれば、その階層構造も保ったまま転送される。
サムネイルは転送時に生成されているのか、表示に時間がかかるということもなく、快適なブラウズが可能だ。フォルダごとにスライドショー表示させることも可能なほか、音楽を鳴らしながらの表示を行うこともできる。
軽快なレスポンスは魅力――しかし、本領はWindows XP MCEとの連携で発揮
本製品の最大の魅力、それは高速な操作レスポンスにあると言ってもいいだろう。映像・音楽・画像を扱えるポータブルAVプレーヤーというものはいくつか登場しているが、本製品は操作の際にほとんど待たされるということなく、非常に快適な操作が可能だ。
「スタート」と「戻る」ボタンを備えることによって、Windows(およびIE)を操作できるならば、マニュアルを見なくても大方の操作が可能になっている点も高く評価できる。それに、映像の7時間連続再生という点も、多くのポータブルプレーヤーを上回るメリットだ。
しかし、ポータブルプレーヤーとしての完成度が高いだけに残念な点も目についてしまう。
テレビ番組の扱いがその最たるもので、テレビチューナーを搭載したWindows XPのPCで番組を録画しても、番組名などのプロパティ情報はWMP10で転送する際にすべてなくなってファイル名だけになってしまう。これではどれがどの番組だか分からない。転送時にファイル名を番組名にリネームするなどの作業を行えばある程度は区別できるが、それでは手間がかかる。
Windows XP MCEで番組を(DRV-MS形式で)録画し、転送すれば番組名などの情報を保ったままで転送できるが、国内ではWindows XP MCEを搭載したPCはほとんど普及しておらず、各社のTVチューナー搭載PCはそれぞれの独自ソフトで番組を管理している。
Windows XP MCE搭載PCがさらに普及するか、CDにおけるCDDBのような存在がTV番組に関しても存在すればこの問題は解決するだろうが、どちらも即時的には求めようがない。
しかし、Windows XP MCEの最新版、Windows XP MCE 2005は最近になって自作市場にも流通し始めており、対応をうたうチューナーカードも登場しつつある。そうしたパーツを組み合わせれば、本製品の威力は最大限に発揮できる。
分かりやすい操作系に長時間駆動可能なバッテリー、見やすい液晶とハードウェア的な要件は高い水準で満たしているだけに、そうしたこまかな使い勝手が改善されればより魅力的な製品になるだろう。
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