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“家電メーカー”三洋が本腰を入れる「リアプロTV戦略」インタビュー(1/3 ページ)

三洋電機が満を持して日本市場に投入した55型リアプロTV「LP-55WR1」。市場では30万円台後半となるなど同サイズのプラズマTVの半額という値ごろ感で話題を集めている。同社の開発者に、リアプロTV開発経緯や事業戦略を聞いた。

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 大画面サイズでの圧倒的なコストパフォーマンスで、今年大いに注目されたリアプロジェクションTV(リアプロTV)。従来から唯一国内で展開していたソニー、今年5月に国内市場に参入したセイコーエプソンに続いて、三洋電機が今月12月初めに、家電メーカーとしては久しぶりとなるリアプロTV新製品「LP-55WR1」を発売した。

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三洋電機「LP-55WR1」

 発売から2週間ほど過ぎた現在、LP-55WR1の実売は30万円台後半となるなどリアプロTVの本領を発揮するプライスで推移。同サイズのプラズマTVと比べて半額という値ごろ感で話題を集めている。

 リアプロTVが今ほど騒がれていない今年の前半から、ITmedia LifeStyleでは“これからの大画面テレビ”として積極的にリアプロTVの可能性を報道していき、同時に国内市場に参入(予定)しているメーカー(エプソンビクターソニー三菱)の開発担当者インタビューを掲載してきた。

 今回は、長年のテレビメーカーとしてのノウハウを有し、ホームシアター用フロントプロジェクター「Zシリーズ」でもトップメーカーとなっている三洋電機が満を持して日本市場に送り出したリアプロTVの開発経緯や事業戦略などについて、同社AVソリューションズカンパニープロジェクターBU事業企画部事業企画担当部長の杉邨一人氏に話を聞いた。

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同社AVソリューションズカンパニープロジェクターBU事業企画部事業企画担当部長の杉邨一人氏

中国からスタートしたリアプロTV事業

 同社は今年4月から、中国で55/45型リアプロTVの販売をスタートした。なぜ「中国から」だったのだろうか。

 「当社は中国にテレビ工場があり、従来のブラウン管に加えてフラットTVの生産も行っている。この工場でマイクロデバイス方式のリアプロTVも生産しようということで、先に中国と具体的な話になった」(杉邨氏)

 マイクロデバイス方式を採用したLP-55WR1には、同社が長年液晶フロントプロジェクターで培ってきた高画質化技術を投入。ハイビジョン対応高温ポリシリコン液晶パネルを3枚使った液晶3板方式で、720p(1280×720ピクセル)の高精細映像と美しい色再現性、1000対1のコントラスト比を実現した。

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 リアプロTVは北米に大きな市場があるが、それとともに世界最大の人口を誇る中国にも巨大市場が育ち始めている。もっとも現在の中国では、安価なCRT方式がリアプロTV販売の中心で、高画質だがやや高価なマイクロデバイス方式のシェアはまだまだ少ない。

 「マイクロデバイス方式のリアプロTVのメリットは、画面サイズを大きくしても価格面にそれほど影響がないというところ。その特長を最大限に生かせるのは、やはり50インチ以上の大画面となる。このように本体の大きな製品は、運搬の手間などを考えると本来は“生産している地域で売る/売る地域で生産する”というのが鉄則。このような経緯から中国での先行発売となった」(杉邨氏)

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