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“100倍”強いTDKの「超硬」――本当にどこまで強いのか年末、このDVDメディアで映像を残す(2)(1/2 ページ)

「超硬」で、DVDメディアの“保存の安全性”をうたうTDK。録画メディアの選び方が難しくなる中、同社がなぜアピールポイントとして“超硬”を選んだのか。そしてそもそも“超硬”は何が違うのか、同社の担当者に話を聞いた。

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新パッケージの導入でユーザーを誘導

 「HDD/DVDレコーダーの普及率が高まっていますが、DVDメディアの購入については、売り場での滞在時間がCDやMDに比べて長くなっているという調査結果が出ています。これは“何を買ったらいいのか分からない”、“自分のレコーダーでは使えないメディアを買ってしまってしまうかも”という迷いがユーザーにあるからではないかと考えています。録画用メディアの選択が難しくなっていることは、私たちも自覚しています」

 そう語るのは同社 マーケティング部 メディアマーケティング課 スーパーバイザーの鶴河龍也氏だ。同社では11月中旬から新パッケージの導入を開始しており、まずは「見た目に分かりやすい」メディアを投入することで、DVDメディアに不慣れなユーザー層をリードしたいと考えている。

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導入が開始された新パッケージ(写真は12月中旬発売開始予定のCPRM対応DVD-Rメディア)

 肝心のメディア品質にも、鶴河氏は自信を見せる。

 「国内のメディアメーカーならば一定以上の品質を保っているといえますが、私たちはメディアの品質を高いレベルで維持することについて、特に自信を持っています。海外の安価なメディアですと品質にバラツキが見られる場合もありますので、TDKを含め、国内メーカー製のメディアをお勧めしたいですね」(鶴河氏)

 鶴川氏の述べる、国内メーカーならではという強みはほかにもある。高速記録対応などといったメディアの特長を生かした書き込みには、メディアに適した書き込みストラテジが必要になるため、ドライブメーカーとの協力体制が欠かせない。国内で生産を行っているからこそ、こうした協力体制も築きやすいのだという。

 「ディスクを開発した時点で各ドライブメーカーにサンプルを提供し、ドライブとの“あわせこみ”を行うわけですが、こうした作業を入念にしておかないと、ドライブがTDKのメディアであるという認識ができず、最適な書き込みシークエンスを取れないことがあります」(鶴河氏)

“100倍強い”表面処理技術「超硬」

 こうしたメディアとしての基本的な品質に加えて、導入している記録面へのハードコート処理「超硬」で、ユーザーへ“保存時の安全性”をアピールしている。

 この超硬は2002年末に製品投入された記録面へのハードコート処理の総称で、「傷に強い(表面硬化処理)」「チリやホコリが付着しにくい(帯電防止)」「汚れが簡単にふき取れる(高い潤滑性)」というメリットを併せ持つ。

 「強さ」については同社では、「従来品に比べて100倍強い」とうたっているが、何がどう強いのだろうか。

 「砂消しゴムのようなローラーを備えた機械(摩耗輪機)にディスクをセットし、1回転させてはエラー発生率のチェックを行うというテストを行っています。テストの結果、従来品に比べて摩耗によるジッターやPIエラーの発生率が大幅に下がることを確認できています」(鶴河氏)

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従来品と超硬のPIエラーレート発生比較

 このテストは本来、金属メッキの強度を測るためのものだが、JISにも定められたテスト方法であり、客観的な指針となりうる。同社では、こうした結果の数値をもって“100倍強い”としているわけだ。

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摩耗輪機によるテストの様子

 ※ジッター:直訳すると「表示の揺れ」で、DVDメディアにおいては記録面の傷・摩耗にともなうレーザー光の乱反射を指す。JIS規格では8%以上のジッターが見られた場合、DVDとして問題があるとしている。

 ※PIエラー:Parity Inner-codeエラー。DVDは読み取り時のエラーに対応する補正機能を備えているが、このエラーのうち補正可能なものをPIエラーという。数値が少ない方が高品質なメディアといえる。

「車で言えばワックスを掛けた状態」

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