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高級感ある仕上げに“フルデジタル伝送”の上質サウンド――ビクター「HP-W1000」コードレスサラウンドヘッドフォン特集(4/4 ページ)

ビクターのコードレスサラウンドヘッドフォン「HP-W1000」は、入力から出力までフルデジタル伝送の“音質へのこだわり”と高級感ある仕上がりが売り。発売が待ち遠しいこの注目機を一足先にレビューした。

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 サラウンドデコーダーは、ドルビーデジタル/ドルビープロロジックII/DTSを内蔵。またデジタル放送のMPEG-2 AACもサポートしており、地上/BSデジタルの5.1chサラウンド放送も楽しむことができる。ソニーや松下の製品はバーチャルサラウンドに独自システムを採用していたが、HP-W1000はDolby Laboratoriesが開発した由緒正しき「ドルビーヘッドホン」を搭載しているのも売りの1つだ。

 音響特性の良いリスニングルームでスピーカーを設置したような立体音場をステレオヘッドフォンで仮想的に楽しめるドルビーヘッドホンは、やはり老舗だけあって他社の独自バーチャルサラウンドとは一線を画すサウンドなのだが、以前レビューしたドルビーヘッドホン対応のパイオニアSE-DIR800Cは、明瞭さがやや失われる感じであまり印象はよくなかった。

 ところがHP-W1000で聴くドルビーヘッドホンは実に残響感が自然で、そのサラウンド効果を十分楽しむことができた。ドルビーヘッドホンはDH1(ミキシングルームのような残響を抑えた空間)、DH2(一般的なリスニングルームの空間)、DH3(小規模映画館やコンサートホールの空間)の3つのモードを備える。

 ドルビーデジタル/DTSの両音声による映画を数本と、BSデジタル放送のMPEG-2 AACによるサラウンド音声などを視聴したが、セリフはセンタースピーカーの位置からしっかりと聞こえ、効果音は前から後へ右から左へとサウンドが駆けずり回るなど、映画館で観るようなホールの心地よい残響感がしっかりと表現されていた。


 実売(予想価格)が4万2000円前後と競合機(MDR-DS4000/RP-WH5000は2万5000円前後、SE-DIR800Cは3万5000円前後)と比べて高めだが、フルデジタル伝送など音質にこだわった作りと高級感ある仕上がり、MPEG-2 AACサポートなどライバルにはない“売り”も多い魅力ある製品に仕上がっているのは確かだ。

 本来は11月には発売されていて年末商戦の目玉商品となるはずだったHP-W1000だが、回路の一部に不具合が発見されたために回路設計の変更などから発売が来年3月に延期された。当初の発売予定から4カ月も延期になるのは異例だが、素性の良い製品だけに完全な状態で市場に投入してもらいたいものだ。

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