CESに見る“DLNA対応”AV機器の最新事情:2005 International CES(2/2 ページ)
これからの家電を語る上で欠かせないのが、ネットワーク化とそれに伴うコンテンツの相互利用だ。「International CES 2005」の各社ブースから、家電ネットワークに関する展示をチェックした。
すでにDLNA対応予定レシーバー「CE-MR01」を発表しているシャープも、ブースで同製品のデモを行っている。
CE-MR01は、IEEE 802.11a/b/g無線LANでPCやHDDレコーダーに収納されたコンテンツを受信し、表示できるメディアレシーバー。日本では2月上旬の発売が予定されているが、北米をはじめとするその他の地域では発売未定。
現時点ではDLNA相互接続テストが完了してないために「DLNA準拠」とは明記されず、同社AV製品間でのワイヤレス接続のみをサポートする。DLNAの対応時期については未定となっている。
DLNA対応に慎重なメーカーも
Samsungとパイオニアも、DLNAガイドライン対応のメディアサーバを展示、あるいはデモを行っている。しかしこの2社は、DLNA対応製品の市販について「現時点ではあくまでも技術展示。量産化については未定」(パイオニア)、「DLNA規格対応製品の普及動向を見守りながら検討したい」(Samsung)と慎重な姿勢を示している。
DLNAの規格自体は「DLNA Interoperability Guidelines v1.0」が昨年6月に発表され、現在は細かな部分の調整と、「プラグフェスト」と呼ぶばれる、メーカーがプロトタイプを持ち寄って相互運用性を試すイベントが行われている最中だ。
2004年12月にはドイツでプラグフェストが行われ、各社のサーバ/クライアント製品をマトリクス状にして組み合わせる相互接続テストが行われたが、すべての組み合わせをクリアした製品はなかったそうだ。Samsungとパイオニアが慎重な姿勢を示すのには、そうした事実が背景にあるのかもしれない。
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