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“プラズマカンパニー化”でトップシェアを狙う松下電器米国市場に見る“テレビのこれから”〜前編〜(1/2 ページ)

テレビ大国・アメリカの市場動向に注目すると、“テレビのこれから”が見えてくる。米国市場に力を入れる国内2大メーカーの米国法人トップの戦略を前編・後編で紹介。まずは、プラズマテレビで世界ナンバーワンを狙う松下電器産業に聞いた。

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 米・ラスベガスで開催されたInternational CES 2005で松下電器産業は、プラズマテレビとHD(高解像度)をキーワードに全体の展示をまとめていた(松下ブースの詳細は別記事参照)。

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 従来は米国でのシェアが高いデジタルコードレスホン、まだシェア自体は低いが高い伸び率が期待できるデジタルカメラなども同列にプレゼンし、ややフォーカスが定まっていない印象を受けていた松下電器だが、今年はプラズマテレビなどAV製品が主役。混沌と何でも扱う総合家電ベンダーのイメージを拭い、ビジュアル技術を引っ張るブランドへの脱皮が進んでいる。

 この1月1日から社名変更されPanasonic North Americaという名称に変更された、松下電器米国法人・社長兼最高執行責任者の河野優氏に話を伺った。

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Panasonic North America社長兼最高執行責任者の河野優氏

基本に立ち返りプラズマテレビトップシェアを奪取

 松下電器は米国のプラズマテレビ市場で、昨年9月以降連続して30%という高いシェアを継続。秋以降は一貫してトップシェアを確保しているという。それ以前のシェアは20%前後に過ぎず、急峻に10%の上積みが行われたことになる。

 プラズマテレビにマーケティングリソースを集中させ、ナンバーワンを獲得することで先進的イメージを持つブランド“パナソニック”を飛躍させる戦略だ。かつてSamsungは小型かつ先進的イメージの携帯電話で高い人気を博し、それが結果的にブランド力を押し上げた。同様にプラズマテレビは“リアプロTVより(高いけれど)カッコいい”というイメージがある。リアプロTV市場の伸びばかりが語られる米国テレビ市場だが、実は薄型フラットパネルへの注目度はこの1年ほどで急速に増している。

 「社長就任時の任務が、プラズマテレビ市場でナンバーワンを獲得する事でした。そのために基本に立ち返り、自社製品を販売店に理解してもらえるよう、様々な対策を講じました。全米の主要店舗への商品セミナーを丁寧行い、価格レベルが適正かどうかのチェックを頻繁に行う事で、販売店側からの信頼も獲得できました。このためだけに250人もの人員を投入しました。価格を下げた事もシェアが伸びた一因ですが、商売の基本をしっかりと押さえた事が好結果につながったと思います」(河野氏)

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