「快適な引き心地」の電子辞書――カシオ「XD-LP7100」「XD-WP6800」:レビュー(3/3 ページ)
カシオの電子辞書「エクスワード」がモデルチェンジを遂げた。高精細なハーフVGA(480×320)液晶やMP3よりも肉声に近いという「TRUE VOICE」などを搭載した。新機能、特に高精細液晶が「快適な辞書引き」をどれだけ実現したのか、チェックしてみた。
CD-ROMとメモリーカードで提供されているアドオンの辞書は、本体メモリにインストールできるほか、PCを利用すればSDカードにもインストールできる。PC用転送ツールはXD-LP1000と同じくエクスワードライブラリーだ。アドオンされた辞書は、本体に内蔵された辞書と同じ感覚で利用できる。ジャンプ検索の中にもリストとして表示されるなど、連携性は高い。
本体メモリとSDカードに保存したテキストファイルを閲覧することも可能だ。ただし、この場合、辞書データを閲覧するときのようにレイアウトや文字の大きさは変更できず、基本的には16ドットフォントでしか閲覧できない。とはいえ、それでも画面サイズが大きいのでなかなか閲覧性は高いと感じた。
縦型レイアウトで検索作業が快適に〜高解像度液晶はこれからのトレンドか?
本シリーズのメリットは、縦型レイアウトの快適さに尽きると言ってよいと思う。大きめの液晶と精細な解像度を活かす、最強のユーザーインタフェースだ。店頭で一度触れれば、きっと実感してもらえると思う。ちなみに本機の16ドットフォント表示は、他社製品に比べればそれなりに小さめに感じるはずなのだが、不思議なほどに違和感はない。字間がややゆったりと取られており、それが読みやすさに影響している、ということがあるのかもしれない。
もうひとつの目玉機能である音声機能については、従来に比べればずいぶんと良くなってきてはいるが、今回試用した環境ではあまり大きな違いを感じることはできなかった。全く知らない外国語の発音ニュアンスをつかむには大きな助けとなるが、スピーカーの音がややくぐもって聞こえることもあり、外国のレストランなどで注文に使えるかというとちょっと疑問だ(そんな用途は考えていないかもしれないが)。XD-LP7100には音声機能があり、XD-WP6800にはバックライト機能があるわけだが、筆者としてはXD-WP6800を選びたい。
電子辞書の世界においても、高解像度液晶が利便性の向上をもたらすことを、本シリーズは明確に示した。他社がいつ追随してくるのか、そして新エクスワードシリーズ以上の使い勝手を実現してくれるのか。電子辞書の世界はますますおもしろくなりそうだ。
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