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第16回 雪のまぶしさと露出の関係今日から始めるデジカメ撮影術(2/2 ページ)

雪景色を撮る、雪国で撮る、冬はそういう機会が多いが、実は雪景色はデジカメが不得手な被写体。「寒い」ことや「濡れる」こと以外に、雪景色特有の「色」や「明るさ」の問題がある。雪のまぶしさと露出の関係を探ってみよう。

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雪は明るくて青いっ

 では撮影してみよう。分かりやすい例を1つ。


ちょっと暗くて青っぽく写っている

 これがμ mini Digitalで普通に撮った写真。雪景色特有のあのまぶしくてキラキラした感じが撮れてない。

 同じ場所で「スノー&ビーチ」モードにして撮った写真がこれ。


少し明るくなって青っぽさが消えた

 ここまで極端じゃなくてもこのくらいの違いはいつもある。こちらはDSC-F88の「スノー」モードだ。


オート

スノーモード

 つまり普通のデジカメで普通に撮ると、暗くて青っぽく写りがちなのだ。

 カメラはまずCCDが捉えた画像をチェックしてどのくらいの明るさで撮ればいいか判断するんだけど、雪って白くて陽光を反射するからすごく明るいのだ。あまりに明るいものだから、カメラは「これは明るすぎるからちょっと暗めに撮ろう」としちゃう。だから暗く写りがちなのだ。

 もうひとつ、太陽の光ってほんの少し赤みがさしてる。それに比べると雪の色はもっと青白い。だからカメラが太陽光の下のつもりで撮ると青っぽく写りがちなのだ(この辺はカメラのオートホワイトバランスの性能にもかかってくるのでなんともいえないけど)。

 一部のデジカメが持っている「スノー」モードや「スノー&ビーチ」モードはそれを補正して撮るセッティングになっているのである。

 雪景色はやっぱまぶしいくらいに明るくないと気分がでないわけで、スノーモードがあれば積極的に使いたい。

 じゃあそういうモードが用意されてないカメラではどうすればいいのか。色が青っぽく映らないオートホワイトバランスが優秀なデジカメなら、露出補正をしてやればいい。露出補正というのは、まあカメラに対して「もっと明るく撮ってね」とか「ちょっと暗めに撮ってね」と指定してやる機能。


オート

プラス1.0の露出補正をかけて撮影

 露出補正をちょっと強めにかけてみた。日が当たっている箇所は真っ白にとんでしまってるが、雪景色のまぶしい感じは出る。

 もしホワイトバランスが上手く動作せず、「青っぽく撮れてしまっていやだなあ」と思ったときはどうするか。


オート

曇天

 試しに曇天モードにしてみた。ちょっと色の感じが変わる。この辺は好みかもしれない。

 つまり、雪だらけの写真を撮るときは「スノーモード」か、「プラスの露出補正をかけてやる」ようにしよう。露出補正はだいたい「+0.7」から「+1.3」くらい。雪景色を撮りたいときと、雪をバックに人物などを撮りたいとき(この場合はほとんど逆光状態になる)では補正の具合が変わってくるので、この辺は液晶モニターを見ながらチェックするのが安心。

 今回は栃木県の湯西川温泉へいったのだが、祭りをひかえて「かまくら」造成中であった。こういう真っ白な「雪でできたもの」を撮るときは光の当たる方向に注意しよう。光が斜めに当たる位置に動いて撮るべし。


真っ白なものでもこんな風に陰影が付く方向から撮ると立体感が出る

 なお、オールウェザーケースをつけたデジカメは首からぶら下げて雪まみれになろうともびくともしないのがうれしい。これは雪に半分埋もれて撮った写真。

 ちょっと高いけど、カメラに気を遣いたくないという人にはいいアイテムだ。こんな感じの「本格的な水中撮影機能はいらないけど、防水で乱暴な扱いにも耐えられるアウトドア用の小ぶりなケース」がもっと出ててもいい気がする。

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