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Bluetooth「A2DP」で、高品位サウンドを無線伝送してみたレビュー:ユビキタス音楽環境のススメ(1/3 ページ)

「Bluetooth」ではさまざまなプロファイルが用意されているが、中でも高品位のステレオ音声伝送を想定したものが「A2DP(Advanced Audio Distribution Profile)」だ。今回の「ユビキタス音楽環境のススメ」では、シーエフ・カンパニーのA2DP対応Bluetooth製品で、“高品位サウンドの無線伝送環境”を探ってみた。

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 前回紹介した「Rio LIVE air」は、PCにUSBオーディオとして接続可能な送信ユニットと、スピーカーシステムに内蔵された受信ユニットとの間で、2.4GHz帯デジタルによるワイヤレス伝送を行う製品だった。2.4GHz帯を利用するワイヤレス通信としては、ほかに、IEEE 802.11b/gの無線LAN、そして、Bluetoothがある。特にBluetoothはさまざまな用途に対応し、その中にはオーディオの送受信も含まれている。

 Bluetoothでは、無線通信の用途別に多数のプロファイルを展開済みだ。携帯電話とPCでダイアルアップ接続を行うための「Dial-Up Networking」、ワイヤレス・イヤホン/マイク(ヘッドセット)をPCや携帯電話経由での通話に利用するための「HeadSet」「Hands Free」なども、そのプロファイルのうちの1つ。機器間の物理的接続や相互検出/認証をつかさどる基本層は、すべてのBluetooth機器が搭載するものだが、これらプロファイルは各機器で必要なものだけに対応すればよい。

 単に音声を伝送するだけなら、比較的一般的なHeadsetsプロファイルでも可能だが、さらに高品位のステレオ音声伝送を想定したものがある。それがA2DP(Advanced Audio Distribution Profile)だ。ほかの多くのワイヤレスオーディオ伝送と同じく、A2DPでも標準オーディオコーデックとしてSBCを採用している(コーデック拡張にも対応)。

 シーエフ・カンパニーでは、このA2DPを利用可能な製品群を「Bluetoothワイヤレス・オーディオアクセサリー」として販売。いずれもBluetooth 1.1対応で、A2DP以外に、Serial Port/HeadSet/Hands Freeプロファイルも採用している。オーディオフォーマットはSBC。

 今回試用したのは、送信側となるオーディオアダプタ「MCA01」とミニ・オーディオアダプタ「MMA02」、そして、受信側となるワイヤレスヘッドホン「MCH02」とミュージックボックス「MCB02」の4製品だ。Bluetoothゆえ、送信側と受信側はいずれを(仕様上は、他社製のA2DP対応製品とも)組み合わせても問題ない。

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シーエフ・カンパニーが販売している「Bluetoothワイヤレス・オーディオアクセサリー」4製品

 ただ、主に想定されているのは、次の2つのようだ。まずは、オーディオ機器へ「MCA01」をつなぎ、密閉型ヘッドホン「MCH02」へ飛ばして、じっくり聴くという組み合わせ。そしてもう1つが、携帯音楽プレーヤーと「MCA02」のステレオミニジャックどうしを接続し、「MCB02」へ付属(または手持ちの)ヘッドフォンを接続して、一緒に持ち歩きながら聴くスタイルだ。

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据置型の送信ユニット、オーディオアダプタ「MCA01」

 オーディオアダプタ「MCA01」は105×82×33ミリとやや大きめのサイズだが、その分、小型の「MMA02」よりも通信性能は高い。仕様では、通信距離は障害物がない状態で20メートルと書かれている(ただし、受信側の性能にもよる)。本体には、電源、ステレオ音声入力(RCAピン・赤白)の端子、そして、PowerとPairという2つのボタンがあるのみ。単純に音声を無線伝送するだけなので、当然といえば当然。

 使い方は電源とオーディオ機器からのケーブルをつなぎ、電源を入れればいい。ただし、初めて利用する際には、受信側とのペアリングを行う必要がある。つまり、接続相手を認識させてやる。ペアリングも特に難しい作業ではない。電源を入れた機器どうしを近づけ(20〜30センチ)、双方のPairボタンを押せばいい。あとは自動的に接続が確立される。いったんペアリングが完了すれば、電源を落としても失われることはない。

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初めて利用する際には、このPairボタンとともに、受信側のPairボタンを押して、ペアリングを実行する
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音声入力はRCAピン
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