中国製デジカメ「愛国者V815」を使ってみた:レビュー(4/5 ページ)
上海の電脳街で中国製のデジカメ「愛国者V815」を購入した。日本製品優勢の中国デジカメ市場において、「打倒、日本製デジカメ」をうたう気合の入ったモデルである。さて、その実力はいかほどなのだろうか?
愛国者の本気を感じさせるデジカメ
さて、問題は画質である。私がたまに接する日本のデジカメメーカーの開発者の中は、中国などアジアのメーカーのデジカメはまだまだ脅威ではないと考えている人もいるようだ。その理由を尋ねると、機能や操作性、デザインに関しては、海外メーカーに追い付かれるのは時間の問題かもしれない。しかし、レンズやCCD、画像処理のプログラムなど、正確で美しい画像を作り出すための技術は長年蓄積されたノウハウであり、そう簡単には真似できない、とのことだ。
その開発者がV815の画像を見たかどうかは知らないが、確かにおっしゃる通り、V815の画質は今ひとつである。解像感は低いし、ノイズも多く見られる。また、発色が不自然になるケースも少なくなかった。この画質のデジカメに3万円も払う日本人はいないだろう。私のような色モノ好きくらいだ。
とはいえ、ものすごく悪い画質とまでは思わない。500万画素という画素数は別として、数年前には日本にもこれと同程度の画質のデジカメはたくさんあったはずだ。私は開発者ではないが、シロウト目にはあと少しで追い付くところまで来ているような気もする。
もちろん、売れるか売れないかは、ブランドイメージや営業力など性能以外の要素も大きい。だが、どっちにしてもデジカメの国際競争が進むのは、ひとりのユーザーとしては大歓迎である。
中国製デジカメのレビューということで、中国ならでは発想や中国らしさを感じる機能、あるいはネタ的な面白さを期待した人がいるかもしれない。実は、最初は私自身もそのひとりだった。だが、そんなものはなかった。V815はバッタもんの粗悪品や単なるコピー品ではなく、愛国者が本気で作ったデジカメだからである。そう強く感じた。
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