「ちょっとタイム!」できる液晶テレビ――HDD内蔵の新「Face」登場(2/2 ページ)
番組の途中で「ちょっとトイレ!」。すっきりしてテレビの前に戻ってみたら、いい場面を見逃してしまった――そんな経験は誰にでもあるだろう。しかし、東芝が発表した新しいFaceは、内蔵HDDを利用して“見逃し”を防いでくれるという。
たとえば、録画した番組は再生後に自動消去されるほか、HDD容量を節約するため、録画中でも一定の時間を録画したら(デフォルト設定は30分)、最初の部分から上書きを始めてしまう。つまり、録画時間を30分に設定していて、席を空けていた時間が35分間だった場合、最初の5分間は消えているという。
「“餅は餅屋”という通り、残したい番組はDVDレコーダーで録画してほしい。このように言うと落胆する人もいるかもしれないが、恐らく、HDD内蔵のDVDレコーダーを既に持っている人なら、このテレビの利便性を理解してもらえると思う」(本村氏)。
今すぐニュース
一方の「今すぐニュース」は、仕事のために帰宅が遅くなったときなどに重宝する。これは、テレビが定期的にニュース番組を自動録画しておく機能だ。たとえば、深夜に帰宅して今日のニュースをチェックしたくても、どこの放送局でもやっていなかったというケースも多いだろう。そんなときに「今すぐニュース」ボタンを押すと、いつでも最新のニュースが再生される。
ニュース録画は、チャンネルと時間を指定し、最大9番組まで設定できる。たとえば、朝6時、昼の12時、夜7時などとしておくと、毎回ニュースを録画して、古いモノは自動的に削除。HDD内にはいつでも最新ニュースが保存されているという具合だ。「15時にテレビをつけたら昼のニュース、深夜に帰宅したら夜のニュースなど、タイムテーブルに沿って自動的に録画してくれる。ユーザーは、もうニュースの時間まで待つ必要はない」(本村氏)。
もちろん、通常の録画機能もある。HDD容量が160Gバイトのため、ハイビジョン録画の場合(TS録画)は、BSハイビジョン放送で約13時間、地上デジタル放送で約15時間と少し物足りないが、MPEG-2録画ならSPモードで約61時間、EPモードなら約156時間の録画が可能になる。録画予約は、「faceネット」ボタンでEPGを呼び出し、録りたい番組を指定するだけ。番組検索機能も備えている。
また、同社の番組情報サービス「テレビサーフ」を使えば、携帯電話から録画予約することも可能だ。なお、携帯予約は、NTTドコモ、au、Vodafoneの3キャリアに対応する予定で、5月中旬にはサービスを開始するという。
このほか、WebブラウザやEメールの受信機能、デジタルカメラで撮影した画像の閲覧機能なども搭載した。USB端子には、USB対応デジカメやメモリカード、カードリーダーなどを接続可能。キーボードを接続すれば、Webブラウズの際にURLや検索キーワードなどを入力することも可能になる。
東芝の本村氏は、HDDをテレビに内蔵することで「“録っては消す”キャッシュの文化を創りたい」と話す。ソニーの「CoCoon」などと考え方は似ているが、テレビに搭載し、かつ具体的で分かりやすいアプリケーションを提案している点が少し違う。また同社では、“HDD内蔵テレビ”という製品が単発のものではなく、継続的に推し進めていく方針を示唆した。「今回のHDDコントロールやLAN制御は、すべてメタブレインで行っている。(こうした機能は)今後登場するSEDのテレビにも使っていくつもりだ」(同氏)。
なお、内蔵HDDは故障時の対応を考えて交換式となっている。「テレビにHDDを内蔵するとき、問題になるのがHDDとテレビの寿命の違いだ。テレビの寿命は10年といわれているが、HDDにそこまでの実績はない」。
HDDユニットは台座部分の裏側から取り出し可能。いくつかのネジとケーブルを外すだけでユニット全体を引き出せる。交換用ユニットは随分大きくみえるが、中にあるのは電源とLED程度。内蔵HDDは一般的な3.5インチサイズだ
交換用ユニットは、160GバイトのHDDを搭載して実売5万円程度になる見込み(価格はオープン)。6月に発売する予定だ。なお、大容量タイプなどの追加は検討していないという。
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