東芝「RD-Z1」のデジタル放送録画を試す:レビュー(4/4 ページ)
東芝の「RD-Z1」は、ネットdeナビ、WEPGといった機能が魅力のRDシリーズに、デジタル放送録画機能を追加したハイエンドのDVD&HDDレコーダーだ。ハイビジョン番組を変換してDVDに残すこともできる。今回はハイビジョン録画に注目して検証した。
ハイビジョン録画が介在しないので、あまり使いでがなさそうだが、リアルタイムでも視聴できる場合やバラエティ番組など、とくにハイビジョン品質は必要でなく、残り容量も少なめの場合などには便利かもしれない。また、この場合なら高速ダビングでのムーブとなり、処理は比較的短時間ですみ(予約時に選択した録画モードにもよるが、マニュアル9.2Mbps・5分の番組を転送するのにかかった時間は2分10秒程度)、その間もテレビ視聴は可能。
意外と有用なのは、
4. デジタル放送をハイビジョンのままHDDへ録画。アナログ放送で裏番組をHDDへ録画
ということができる点かもしれない。
順序が逆になってしまったが、放送を視聴する際には、一般的なデジタル放送チューナーと同様に、「放送切換」で「アナログ地上波」→「地上デジタル」→「BSデジタル」→「110度CSデジタル」を選び、リモコンのチャンネル1〜12ボタンか、チャンネル上下ボタンで選局を行う。チャンネルボタンでは直接選局のほか、たとえば「5」を繰り返し押すと51→52→53となり、一方、チャンネル上下ボタンを使うと51→61→71と切り替わる。
リモコンはほかのRDシリーズと同様のものだが、「放送切換」のほか、デジタル放送の操作に必要な青/赤/緑/黄のカラーボタンも用意。もちろん、データ放送を呼び出すための「データ」ボタンなどもある。
ただ、ハイビジョン映像出力が可能な本機では、基本的にD3(1125i)モードにしておくものだが、市販のDVDや録画済みDVDを再生すると、「出力が禁止されています」とアラートが表示され、強制的にD2へ切り替わってしまう。その後、D出力設定を自動で回復してくれないので、そのたびにフタの下にあるD出力切換ボタンの操作が必要となる。これはかなり不便だ。
ハイビジョン放送をSDダウンコンバートしたときの品質に関しては、決して悪くはないが、とりわけ高品質という印象ではなかった。内部完結ですむうえ、“究極のクオリティを目指して作り込んだ”と銘打たれているので、デジタルSTBからS端子で出力して、手持ちのDVDレコーダーで録画したものよりは、高い画質が確保できるのではと、かなり期待していたのだが、目を見張るほどの違いではない。
ほかにも細かな疑問点は多いのだが、とくに気になったのは、予約録画はいわゆる追跡録画に対応しているものの、放送中の番組名表示は野球延長などの変更を反映しない点。冒頭で書いたとおり、デジタル放送では番組表が随時更新されるため、手持ちのデジタルSTBではそういう場合、一瞬だけ変更前の番組名が表示された後、ちゃんと変更が反映される。どれを見ようかと、チャンネルをブラウズする際には、番組名表示を頼りにする場合が多いので、少々不便に感じた。
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