大きな進化を果たした“普及”モデル――パイオニア「DVR-530H」を試す(前編):レビュー(3/3 ページ)
パイオニアが2005年春モデルをリリースした。500番台の普及モデルからの登場となったが、世界初のDVD-R DL対応にくわえ、ユーザーインタフェースなどの機能強化という点でも見所が多い製品だ。パイオニアの今後の方向性を占う製品を検証した。
またダビング時にファイナライズを指定し、それが録画と重なった場合には、録画を優先するといった配慮もされている。ファイナライズに限っては並行して録画が行えないからだ。
EPGは1列タイプで一覧性が良いとはいいがたいが、代わりに検索機能が充実している。設定したキーワードの関連語、同義語、連想後からも番組検索が可能な「気がきく!録画辞典」も引き続き搭載し、キーワード設定によるおまかせ録画も可能だ。またドラマなどの繰り返し録画での放送延長に対応する「連ドラ延長」、プロ野球中継延長の影響を受ける番組への警告機能なども2004年秋モデルから継承している。
EPG周りで新たに追加されたのが「新番組検索」機能だ。ちょうど今は番組改編期にあたるのだが、かなり的確に新番組を検索してくれた。これは便利に使えそうだ。
あと、細かい部分で筆者が気に入ったのは、DVDメディアのローディング中にもメニュー操作などが実行できること。DVDメディアの認識には時間がかかるものだが、他社製品にはローディング中は何もできなくなる製品が多い。しかしDVR-530Hでは、たとえばダビングを行うとき、DVDメディアをドライブにセットして認識されるのを待つ必要がなく、ダビング操作を開始できる。
パイオニアは、メジャーメーカーの中ではEPGの採用がもっとも遅かった。そうした事情もあってか、従来の製品では画面構成がEPGとアンマッチな部分も見受けられた。
しかし、DVR-530HではEPGによる番組予約〜つまり録画番組には番組名が登録されていることが前提の作りとなり、従来製品に感じていた違和感はなくなった。ユーザーインタフェースが洗練された印象を受ける。どのメーカーも、基本的な操作性にはあまり手をくわえようとしない中、パイオニアのとった判断は“英断”といえるかもしれない。
後編では、期待のDVD-DLと画質を検証する。
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