軽快な操作感に3CCDの高画質――HDDムービー・新“Everio”:レビュー(3/3 ページ)
3CCDシステムの採用で本格的なビデオカメラとしての雰囲気も漂わせる日本ビクターのHDDムービー“Everio”「GZ-MC500」。だがその取り回しや操作性はデジカメ感覚の軽快さだ。さまざまな視点で使い勝手を探ってみた。
撮影映像に関しては、同じ3CCDシステムの「GR-X5」と同様の傾向だ。ただ、動画においては、記録方式による若干の差が見受けられる。赤を中心に色が(ほんの少しだが)にじんだり、細かな圧縮ノイズが散見されるといったぐあいだ。ただ、ノイズに関しては、ノーマル(4.5Mbps・VBR)ではやや目立つものの、ウルトラファイン(約9Mbps・CBR)では気にならないレベル。標準付属の4Gバイトマイクロドライブであれば、このウルトラファインでも約60分の撮影が可能なので、極力この最高画質モードを利用したほうがいいだろう。120分近くの撮影を頻繁に行うのであれば、「GR-X5」を選び、DVのEPモードを使ったほうがいい。
ファイル管理に使う、「削除」「INFO」ボタンが独立しているのは便利だ。また、静止画再生時に「INFO」を押すと、通常の情報表示のほか、「GR-X5」と同様にヒストグラム表示も呼び出せる。グラフの山が右端で途切れていれば明るすぎ、左端で途切れていれば暗すぎということだ。液晶モニターが小さいだけに、撮影が失敗していないかどうかを確認するには便利だろう。
PCとのUSB接続時には、SD、CFの双方がストレージとしてマウントされ、マイコンピュータ内に「リムーバブルディスク」または「MICRODRIVE」が現れる。動画は\\SD_VIDEO\PRGxxxフォルダ内へ「.PGI(管理情報)」「.MOD(動画本体)」「.MOI(動画ファイルの管理情報)」として保存。この.MODファイルはMPEG-2形式のファイルだ。静止画はDCIM内、ボイスメモはDCVC内に入っている。
本体での動画の編集機能は特にない。プレイリスト編集は用意されているが、これは撮影した動画ファイルを並べて、指定した順で連続再生できるのみ。PC上での編集やDVD書き込みを考えている人にはまったく問題はないが、DVDカメラのように本体内で簡易編集したりはできないので注意が必要だ。
また、当然ながらDVカメラのように、HDD/DVDレコーダーとDV接続して取り込むことも不可能だ。その場合は、通常の映像/音声端子経由で接続すればいいが、当然ながら、HDD/DVDレコーダー側からの再生制御は行えない。
この製品の取り回しのよさや、操作の快適さは、デジタルスチルカメラに近い。しかし、3CCDの搭載でその独自の存在感はより増したといえる。DVカメラも静止画撮影機能の向上でデジカメに近くなってきているが、記録すらストレージメディアへ行うEverioはやはり魅力的だ。ただ、人の欲望というものはきりがないもので、ここまで来ると、光学式手ブレ補正も欲しくなってくるのだが……。
内蔵ビデオフラッシュを使用して静止画撮影を行ったサンプル画像
屋外で静止画撮影を行ったサンプル画像
カードへの静止画撮影は「GR-X5」と同じで、解像度は2560×1920、2048×1536、1600×1200、1280×960、640×480から、画質はファイン/スタンダードから選択可能。この画像は2560×1920/ファイン。撮影品質や色合いは「GR-X5」とほぼ同じ。
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