ソニー、ハイビジョン録画対応の新「スゴ録」登場(2/2 ページ)
ソニーはデジタル3波対応チューナーを内蔵した「スゴ録」の「RDZ-D5」を発表した。ハイビジョンに対応し、HD放送をHDDへそのまま録画できるハイエンドモデルだ。ただし、一部のマニア層だけを対象とした製品ではない。
リモコンにはメディアクロスバーを操作しやすいジョイスティックを備え、さらにその周辺に利用頻度の高いボタンを集中的に配置した。ジョイスティックのすぐ上にある3つのボタンは、デジタル放送をダイレクトに切り替え可能だ。番組表を表示しているときも、このボタンでダイレクトに放送波の異なる番組表に切り換えることができる。
デジタル放送の番組表は、一覧性の高い「ラテ欄」表示にも対応した。表示は最大4局。ジャンル別に番組を色分けして検索性を向上させたほか、2局、1局表示も可能な3段階ズーム機能を備え、一覧性と詳細情報の表示を両立している。
日本語入力には予測変換を採用し、より簡単に番組名やキーワードの日本語入力が可能になった。EPG時代では番組名を入力する必要はなくなったものの、「おまかせ・まる録」機能を備える「RDZ-D5」では、検索キーワードの入力などで効果を発揮するはずだ。
このほか、DV端子に同社のデジタルハイビジョンハンディカムを接続した場合、ハイビジョンクオリティで“おまかせダビング”が行えるという特徴もある。おまかせダビングは、テープの頭出しから録画までを自動的に実行する機能だ。
最後の「綺麗」では、まずHDMI端子の搭載が挙げられるだろう。HDMI端子は、音声まで含め1本のケーブルで接続し、劣化のないフルデジタル転送を実現する。DVDビデオなどのSDクオリティ映像も、アップスケール再生したうえでデジタル伝送が可能だ。また、コンポーネント、S端子といったアナログ接続でも、14ビット/148MHz DACの採用により、忠実な映像情報の再現を可能にしたという。
動的ノイズリダクションの「DマトリックスNR」をデジタル放送に適応させた「DマトリックスNR HD」も追加している。ストリーム信号をそのまま録画するDRモードにノイズリダクションは必要ないとも思えるが、同社によると「変動し続けるノイズにノイズリダクションが追従し、ハイビジョン本来の高画質を引き出す」という。また地上デジタル放送では依然としてアップコンバート映像が多いが、「これらにおいては、とくに有効に機能する」(ソニー)。
音質面では、同社の単体オーディオ機器である「ESシリーズ」のコンポーネントパーツを採用。さらにハイエンドスーパーオーディオCDプレーヤーで採用しているマルチレベル方式の192KHz/24ビットD/Aコンバータを搭載した。
マルチレベル方式とは、D/A処理を分散して行うことでD/Aコンバータ個々の負荷を小さくし、歪みが少なく、鮮度の高い音質を実現するというものだ。このほか、きょう体にマウント位置をずらして振動を効果的に吸収する偏芯インシュレータを採用するなど、音質面のコダワリは多い。
ハイビジョン録画主体に利用するには、内蔵HDDの250Gバイトという容量は少々不満が残りそうだが、「RDZ-D5」ではその代わりに価格を従来のHDD+DVDレコーダ+αのレベルにおさえている。どうやらソニーは、一部のAVマニア層だけではなく、従来のスゴ録の購買層全般に訴求できるデジタル放送対応モデルと位置付けているようだ。次世代DVD規格が統一を巡って混沌としている現状では、最終的な保存メディアがDVDというのは、一般ユーザーにとって最適な選択といえるのかもしれない。
なお、2層メディアであるDVD+R DLにも対応しているが、DVD+R DLは規格上CPRMをサポートしていないため、デジタル放送のダビングには利用できない点に注意したい。
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