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音楽ジュークボックスをPCレスで――ヤマハ「CDR-HD1500」レビュー:ストレージ搭載オーディオ特集(2/3 ページ)

PCを使わずジュークボックス的に音楽を楽しみたい――そんな願いをかなえてくれるのが、HDDなどに複数の音楽CDを蓄積できるストレージ搭載オーディオ。特集の第1弾は、ヤマハが約3年ぶりに投入するHDD/CDレコーダー「CDR-HD1500」にスポットを当ててみる。

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 基本的な機能は、「CDR-HD1300」からほぼ変わっていない。この製品では、CDからHDDへの音楽取り込みが可能だが、MP3などの圧縮形式で保存されるわけではなく、まさしく「デジタルコピー」を行う(つまり、非圧縮のリニアPCM)。説明書にも「80Gバイト=120時間」「160Gバイト=240時間」「200Gバイト=300時間」と書かれているとおり、1枚のCDを取り込むのに約700Mバイトの容量が必要だ。

 この方式であれば、音質に関する不安はまったく生じないといっていいだろう。データがオリジナルと同一というだけでなく、オーディオ機器として発売されている製品だけに、出力品質も上々だ。記録データは大きくなるが、現在の大容量HDDの価格を鑑みれば、圧縮しなくても特に問題とは思わない。

 ただ、メーカーの立場上、CDとまったく同じものを取り込めるという点で必要になるのは、不正な複製への配慮だ。しかも、この製品の本来の機能はCDレコーダーである。そのため、MDなどと同様に、SCMS(シリアル・コピー・マネージメント・システム)を導入ずみだ。つまり、CDからHDDへ取り込んだものは、CD-R/RWへコピー不可となる。ただし、CD-R/RWへ移動してHDDから削除を行う「ムーブ」は可能だ。

 CDからHDDへコピーを行う作業は、実に簡単。CDをトレイに載せてクローズすると、10秒ほどで認識。ここでリモコンのCOPYボタンを押せばコピー待機状態に入るので、確認のために再生/一時停止ボタンを押してやればいい。デフォルトでは、コピー速度が「Best Effort」に設定されており、最大10倍速で実行される。実測でも、やはり再生時間の10分の1程度で完了した。

 この手順では、CD1枚すべてが取り込まれるが、もちろん、選択したトラックだけのコピーも可能だ(その場合、後述のBOOKMARKを利用して指定する)。さらに、デジタルコピーではなく、アナログ経由でのコピーもできる。この場合はSCMSには縛られず、コピーが禁止されたディスクの取り込みにも有効だ(ただし、再生にすら不具合の生じるようなディスクは無理)。

 動作音に関しては、やや大きめの排気ファンを備えるものの、ほとんど回転することはなく、通常動作時は静かだ。むしろ、HDDによってはそのシーク音のほうが気になるくらい。CD→HDDコピー時には少々音が大きくなるが、これはCDドライブの回転音が主。

 取り込んだCDは、ディスクというグループとして管理される。グループにはこのほかアルバム、ブックマークがある。ディスクは実際のトラックで構成されるが、アルバムやブックマークは単なる「リンク」だ。つまり、ブックマークは一時的なプレイリストのようなもので、本体またはリモコンのBOOKMARKボタンを押して指定しておいた曲(複数可)へのリンクで構成される。このブックマークは1つしか存在しない。これに対し、アルバムとして保存すれば、最大999まで作成可能だ。基本的には、ブックマークを作成し、それをアルバムとして保存という流れとなる。

 再生やそのほかの管理は、このグループ単位か、トラック単位で行う。本体のMULTIJOGノブを押し込むと、ディスプレイ内のステータス表示が「TRACK」←→「GROUP」とモードが切り替わり、ノブを回すと、モードに応じてトラック単位あるいはグループ単位で移動できる。

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たいていの操作は本体側でも可能だが、MULTIJOGノブよりは、リモコンのカーソルのほうが楽

 ただし、リモコンで操作する場合は、この「TRACK」「GROUP」モードを意識する必要はあまりない。リモコンでもENTERボタンを押せばモード切替でき、カーソルの上下を押したときに、トラック単位か、グループ単位で移動するかを選べるが、ノブでの操作とは異なり、カーソル左右が併用できるので、「GROUP」にしておけば、上下でグループ単位、左右でトラック単位での移動可能だ。

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前面左側には、HDD/CDRの切替やCOPYボタンを配置

 再生時にこのモードが関係してくるのは、本体ディスプレイでの表示くらいか。標準では「Dsc01 2 1:15」というふうに、グループ番号、トラック番号、そして、トラック経過時間で構成されるが、TEXT/TIMEボタンを押すと、トラック残り時間→グループ総時間→グループ残り時間と切り替わる。曲名やアルバム名を入力ずみの場合は、さらにもう一度、TEXT/TIMEボタンを押せば、TRACKモードでは曲名、GROUPではアルバム名のみの表示となるわけだ。

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