ついに登場した“まる録”付きハイビジョン録画機――ソニー「RDZ-D5」:レビュー(4/4 ページ)
ソニーの「スゴ録」に地上/BS/110度CSデジタルチューナー搭載モデル「RDZ-D5」が登場した。同種の製品は複数あるが、自動録画機能を売りにしている「スゴ録」。しかもGUIには「XMB」を採用している。その使い勝手を細かく検証していこう。
ハイビジョン録画(DR)した番組は、そのままではDVDへは書き込めない。そのため、HQ以下のモードへダウンコンバートしつつ、ダビングすることになる。しかも、実質的にすべてがコピーワンス番組といえるので、「ムーブ」を行う。どのモードに落とすにしても、この作業には実時間、つまり、60分の番組であればダビングにも60分かかる。しかも、ダビング中には一切ほかの作業が不可能だ。ちなみに、HDD→HDDのダウンコンバートには対応していない。
とりあえず、同じ番組(紀行映像やアニメ)を、「RDZ-D5」でDR録画してDVDへダビング(HQ)したものと、手持ちの「地上デジタルチューナー→S出力→DVR-720H」で録画(FINE)したものを比べてみた。細かい部分まで凝視すると、後者でほんの少し色情報が落ちる(薄いというよりは雑な感じ)印象だが、“気分”の域を脱しない程度の違いといえる。また、タイトルテロップや地図イラストなどのベタ塗り画像の部分では、情報が落ちないゆえか、逆に前者のほうが圧縮ノイズが少し目立ってしまっている。
ほかに、この製品ではDVD→HDDダビングにも対応しているが、この場合は、高速ダビングはできない。また、コピーワンス番組のDVD-RW/R(VR)からHDDへのムーブも不可。
あと、細かい部分では、番組表から録画予約をした場合、あいかわらず手動での修正ができないのは難点。これは番組表側の問題なのだが、深夜枠などで複数の番組が1つにまとめられている場合に困ってしまう。裏番組の予約と重複したときに、見たい“番組”部分だけの開始/終了時間へ手動変更して回避したくてもできない。予約は番組単位を基本とし、その分、時間変更などにも自動追従させているというコンセプトは理解できるのだが、小回りが利かない印象だ。
以上、全体に惜しいと感じる部分はいくつかあるのだが、なんといっても、競合機種にはこれほど強力な自動録画機能を有する製品がほかに見当たらない。冒頭で述べたとおり、それだけでも十分に魅力といえる。あとは、DR録画向けに「おまかせチャプター+ビジュアルサーチ」のような機能の搭載が望まれるところだ。
関連記事
- ソニー、ハイビジョン録画対応の新「スゴ録」登場
ソニーはデジタル3波対応チューナーを内蔵した「スゴ録」の「RDZ-D5」を発表した。ハイビジョンに対応し、HD放送をHDDへそのまま録画できるハイエンドモデルだ。ただし、一部のマニア層だけを対象とした製品ではない。 - シャープ、HDMI搭載のデジタルハイビジョンレコーダー
シャープは2月16日、「AQUOSハイビジョンレコーダー」の新製品3機種を発表した。いずれもデジタル3波対応チューナーを搭載し、画質劣化のないストリーム録画をサポート。このうち2機種には、新たにHDMI端子を装備した。 - 日立、ハイビジョン対応とVHS一体型〜DVDレコーダー“Wooo”新2機種
日立製作所が、ハイビジョン録画対応HDD&DVDレコーダー“ハイ録 Wooo”「DV-DH161T」と、VHS一体型DVDレコーダー「DV-RV8500」を発表。 - 東芝「RD-Z1」のデジタル放送録画を試す
東芝の「RD-Z1」は、ネットdeナビ、WEPGといった機能が魅力のRDシリーズに、デジタル放送録画機能を追加したハイエンドのDVD&HDDレコーダーだ。ハイビジョン番組を変換してDVDに残すこともできる。今回はハイビジョン録画に注目して検証した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.