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世界初の「味見ロボット」

食べ物を「味見」してくれる初のパーソナルロボットをNECシステムテクノロジーと三重大学が共同開発した。

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 NECシステムテクノロジーは6月9日、食品の味見ができるパーソナルロボットを三重大学と共同開発したと発表した。味覚を判定できるパーソナルロボットは世界初という。食品の成分を赤外線センサーで分析し、健康や食生活についてアドバイスしてくれる。


外観はNECの新型「PaPeRo」。アームが追加されている

 開発したのは「健康・食品アドバイザーロボット」。食品の成分は、ロボットの腕に搭載した赤外線センサーで判定する。

 水やたんぱく質など、分子の種類によって分光反射率(波長ごとの光の反射率)が異なる性質を利用した。食品に複数の波長の赤外線を照射し、反射して返ってきた赤外線を分光分析することで、食品にどんな分子が含まれているかが分かる仕組みだ。


ロボットアームに内蔵した赤外線センサー

 ロボットは食品に含まれる成分や割合を調べ、脂肪や糖分のとり過ぎを警告したり、果物の食べ頃などを教えてくれる。またさまざまな食品の赤外線反射率分布をあらかじめ登録しておけば、調べた食べ物のデータと照合し、食べ物の種類も判定してくれる。例えばチーズの銘柄や、パンの種類も即座に推定できるという。

 同社のロボット技術・パターン認識技術と、同大生物資源学部・橋本研究室の赤外線分光分析技術を組み合わせた。ヒューマノイドロボットの研究が進む中、五感のうち味覚や嗅覚についての研究は進んでいない。健康意識の高まりや介護用途への期待などに対応し、五感を備えたパートナーロボットの実現を進める。

 ロボットは、「愛・地球博」会場で同日開幕した「プロトタイプロボット展」(6月19日までに出展した。

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