海外AVメーカーの“騒音消去”を試す――BOSE&Philips:レビュー:ノイズキャンセリングヘッドフォン特集(3/3 ページ)
国内AV機器メーカー、PC周辺機器メーカーと続いたノイズキャンセリング機能付きヘッドフォンのミニ特集。今回は海外AV機器メーカーであるBOSEとPhilipsの製品を取り上げてみる。
普及価格のインナーイヤー型 Philips「SBC-HN060」
Philipsでは、3種類のノイズキャンセリング機能つきヘッドフォンをリリースしている。比較的大型ながら折り畳みも可能な「SBC-HN110」、ネックバンド(バックアーム)タイプの「SBC-HN050」、そして、今回紹介するインナーイヤー型の「SBC-HN060」(実売価格7000円程度)だ。
この「SBC-HN060」は、両耳へ挿入するドライバーユニットと、単四形乾電池(1本)とノイズキャンセリング回路を内蔵する本体部で構成されるが、これらをつなぐケーブルが少々変わっている。つまり、本体部を丸紐状のネックストラップで首にぶら下げる構造なのだ。そのストラップの左右から、ドライバーユニットが先についたケーブルが伸びている。そのため、本体部には固定用クリップの類はついていない。
本体部には電源スイッチのほか、音量調整ボリュームを装備。電源を入れると、低いレベルで耳障りではないものの、はっきりとホワイトノイズが聴こえる。また、ノイズキャンセリングの効果はあまり感じられない印象だ。インナーイヤータイプでは、ドライバーユニット自体が耳を塞ぐことによる遮音効果にも頼るものだが、これもいまいちしっくり来ない。
個々人の耳の構造にも依存するだろうが、以前使用していたソニーの「MDR-NC10」では(多少のコツが必要だが)耳へねじ込むように挿入すれば、かなりのフィット感が得られ、また、それによる遮音効果も多少あった。それに対し、「SBC-HN060」では単に真っ直ぐ刺さっているだけになりがちな感覚だ。イヤーパッドは2段(デュアルコーン)形状になっており、見た目にはしっかりフィットしそうだが、実際には逆に抜けてしまわないか心配しがちなほどである。
音質に関しては、予想していたよりは良好だった。特に中音域はしっかりと鳴ってくれる。ただし、全体に軽い音質で、高音は浮き気味、低音はやや響きが足りない印象だ。
つまり、この製品の場合、性能はごく平均的といえるが、ネックストラップをベースとした構造をどう受け止めるかで評価が分かれるだろう。ネックストラップに慣れた人であれば、本体部をクリップで止めるよりも快適だろうし、ケーブルの強度面でも安心感が持てる製品だ。
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