「アイチューンズ」設立も東芝やソニーは沈黙
iTunes Music Storeの運営を行う「アイチューンズ株式会社」へエイベックスが楽曲の提供を行うことが明らかにされたが、iTMSの開始時期など詳細は未定なうえ、他のレーベルは依然として沈黙を保っている。
米Apple Computerが、iTunes Music Storeの国内運営を行う100%出資子会社「アイチューンズ株式会社」(エドュアルド・クー社長)を設立、エイベックス・グループ・ホールディングスが楽曲提供を行うことが明らかにされたが、他のレーベルは依然として沈黙を保っている。
6月7日には「iTMSは8月上旬に開始。東芝EMI、ソニー・ミュージックエンタテインメント、エイベックスらが楽曲を提供する」という報道が一部でなされ、“エイベックスが楽曲を提供する”という部分だけは今回、正式に発表されたわけだが、エイベックスをのぞく各レーベルは現時点においても「交渉は続けているが、具体的な話をできる状態ではない」と沈黙を保っている。
「(6月上旬の報道時と)今のところ状態は変わっていない。交渉は続けている」(ソニー・ミュージックエンタテインメント)、「状態は変わっていない。現在も10以上の配信サイトへ楽曲の提供を行っており、音楽配信ビジネスに関するスタンスも変わっていない」(東芝EMI)
シングル・アルバム曲に加えてiTMS限定曲を提供すると発表したエイベックスにしても、「今回の発表はあくまでも合意についてのもので、配信する楽曲の数やアーティストなどはこれから詰める段階」と、詳細については未定であるとしている。また、iTMSのサービス開始時期や曲の価格については、「開始時期や価格などについてはアイチューンズ側がハンドリングする事と考えている」と明言を避けた。
今回の発表で表舞台に登場した「アイチューンズ株式会社」だが、日本法人である「アップルコンピュータ」とアイチューンズの関係は、同社と米Apple Computerの直営店であるアップルストアの関係に近いようだ。「現時点でアイチューンズ(株式会社)についての詳細な情報は把握していない」(アップルコンピュータ)
なお、iTMSの開始時期についてもアップルコンピュータでは、「遅くとも2005年末までに開始したい」と従来からのスタンスを変えることはなかった。
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