人工津波に海で働くロボットたち――港湾空港技術研究所:っぽいかもしれない(3/3 ページ)
独立行政法人「港湾空港技術研究所」の一般公開を見てきた。最近、人工的に津波を発生させる装置を設置してニュースなんかにも登場しているところだ。先週の宇宙科学研究本部(JAXA)に続き、夏休みのサイエンス体験第2回。
津波については、人工津波実験施設のほかでも、その仕組みについて解説が行われていた。
津波は、海の地盤がずれる(海底が沈む)ことによって生じる海の波だ。ただ、普通の風でおこる波(風波)の波長が数センチからせいぜい数メートルであるのに対し、津波は波長が数十キロにも達する。水に着目すると、普通の波は表面近くのものがぐるぐる回っている形なのだけど、津波はそのぐるぐるの横幅がめちゃくちゃ長くなった結果、水全体が横に動いているというような形になる。押し寄せてくるわけだ。
また、津波の速度は √(Gh)という簡単な式で表される(G:重力加速度、h:水深)。つまり、水深が浅くなると津波の速度は遅くなる。この結果、海の深いところから浅いところに津波が伝播するときには「屈折」することになるのだ。岬の突端みたいなところが津波の被害を多く受けるのは、この屈折によって、津波が周り中から押し寄せる形になるからなのだ。
ということがわかったところで、いよいよ大規模波動地盤総合水路実験施設に行こう。人工津波の体験だ。施設は長さ184メートル、深さ4メートルの堀だ。見学者はキャットウォークの上から覗き込む形になる。
上から見る津波は意外に地味だ。堀が暗いこともあり目を凝らして見ないとよくわからない。でも、それがものにぶつかると大きな衝撃になる。
このあと、大きなスクリーンでの津波体験になる。この人工津波を正面からとった画像と向き合うのだ。
ところで、このように正面から見たときに、普通の高波と津波とを見分ける方法なのだけど、「わからない」というのが答えらしい。警報に注意してさっさと逃げるしかないようだ。
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