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耳触りの良い“素直な音”――ケンウッド「R-K700」レビュー:上質な机上音楽空間のススメ(3/3 ページ)

机の上で上質な音楽を楽しむためのコンパクトオーディオを探す連載。第2回目はケンウッドの「R-K700」をピックアップ。一通りの機能を低価格に揃えたいユーザー向けだが、同クラス製品群の中では耳触りの良い素直な音質に仕上がっている。

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評価の分かれるROOM EQ

 さて、次にマイクで音響特性を計測し、自動的に音場を補正するROOM EQを試してみた。ROOM EQは左右スピーカーの距離をディレイによって、音量の違いをボリューム微調整で補正。さらに周波数特性の計測結果から音をフラットに整える。

 机の上で聴くとなると、なかなかスピーカーを理想的な市には置けないもの。何らかの効果は期待できるだろうとトライしてみた。

 ROOM EQをかけると中高域から高域にかけてのバランスが改善され、きれいに伸びてくることは確認できる。しかし一方で低域に関しては、元々押し出しが弱めなところ、さらに引っ込んで締まった。伸びた高域もどこか平坦な描写。

 低域の不足を除けばROOM EQをオンにした方が全体のバランスは取れている印象だが、しかしイコライザ処理が入ることで失われている部分も少なくはない。設置場所を変えながら何度かROOM EQの測定を行ってみたが、効果は認められるが音質改善となるかどうかは微妙なところという印象だ。

 また外部機器のアナログ入力品質が今ひとつで、SCD-XA777ESからアナログ音声を入力してみると録音レベルの高いCDでは大音量のパートで歪む(デジタルプリなのでA/D変換時にオーバーフローしているのかもしれない)ことがあった。S/PDIF仕様の光デジタル入力端子を備えているので、PCや外部プレーヤーを接続する場合は、なるべく光デジタルケーブルを用いるようにしたい。

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 最後に簡単にまとめると、低域と高域を強調してメリハリを持たせたドンシャリ傾向の強いこのクラスの製品にあって、中域を重視した優しい音調のシステムを求めているユーザーには悪くない選択だろう。スカッと抜けるような透明感や力強い低域などは求めることができないが、耳触りが良いため耳の近くに小型スピーカーを置きニアフィールドで聴く場合は聴き疲れしにくいと思う。

 逆に派手な傾向の音、あるいは開放感のある伸びやかな音が好みというなら、別の選択肢あるいはワンランク上の製品を探すことを勧める。”いやらしさのない音”という意味では好感が持てるR-K700の音だが、やや聞き手の好みやソースを選ぶ印象が強い。


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