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ウラオモテはありません――富士通がサービスロボット「enon」を限定販売(2/2 ページ)

富士通フロンテックと富士通研究所がサービスロボット「enon」(エノン)を発表した。商業施設や企業を対象に限定販売する予定で、参考価格は600万円。荷物の運搬や来客の案内などの用途を想定した「実用ロボット」だ。しかもリバーシブル。

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 ユニークなのは、体に前後の区別がない「リバーシブル機構」だ。たとえば来客を案内するとき、液晶画面を前にして客に話しかけたあと、そのまま頭だけを180度回転させて後ろ向きに移動を始める。これは、ロボットが先に歩くときも液晶画面をお客のほうに向けておき、「お客とのコミュニケーションを途絶えさせないため」だ。

 「たとえば、お客が“もっとゆっくり歩いてほしい”というときは、液晶画面のメニューボタンを押して意志を伝える。またデパートなどの商用施設なら、イベント情報やCMを画面に表示することも考えられるだろう」(富士通フロンテック、メカコンポーネント事業部の宍戸徳一担当部長)。

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来客を迎え、所定の部屋に案内するデモンストレーション。移動する方向が変わっても、液晶画面はお客のほうを向いている。人間には真似できない礼儀正しさだ

 enonという名称は、「an exciting nova on network」の略だ。直訳すると「ネットワークの躍動的な新星」。その名の通りIEEE 802.11a/b/gの無線LANを内蔵し、パソコンから遠隔操作する機能を持っている。もっとも、ロボットにはあらかじめ移動範囲の地図やプログラムが組み込まれているため、用事があるときにはパソコンからenonを呼びつけるだけでいい。移動中に障害物を避けたりする動作はすべて自律的に行う。

 オフィスを想定したデモも行われた。待機中のenonをパソコンで呼びだすと、「遠隔端末から移動の指示がありました」と言って動き出す。荷物を目的地まで運び、両手を器用に使って台の上に載せてみせた。胴体に載せられる荷物は最大10キログラムまでだ。

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荷物をお腹(背中?)の運搬台に載せ、「運んで」と声で伝えると「承りました」。両手を器用に使って台の上に荷物を置く。背中(お腹?)の運搬台は、普段はカバーで隠しておける

 富士通研究所によると、既に7〜8社がenonの導入を決めており、11月から順次納入を始める予定だという。納入先は今のところ非公開だが、デパートやショッピングセンター、企業などを販売対象にしている。気になる価格は、ハードウェアのみで600万円。ソフトウェア開発費用は別途必要になる。

 そのほかのスペックは下記の通り。

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