3.8型液晶の美しさと80Gバイトの安心感――携帯型ストレージビューワ「P-4000」:レビュー(4/4 ページ)
セイコーエプソンの携帯型ストレージビューワ「P-4000」を使ってみた。昨年発売の「P-2000」の上位機で、HDDとバッテリーの容量をさらに強化した製品だ。デジカメ画像のバックアップの使い勝手などを検証してみよう。
テーマや目的に別に画像を整理するアルバム機能
そのほかの機能にも触れておこう。カードから取り込んで保存した画像のフォルダ構成を変更したり、別のフォルダに画像を移動することは、P-4000の本体上の操作ではできない。その代わりに「アルバム」機能を利用して、画像の分類や整理ができる。アルバム機能とは、取り込んだ際に自動作成されるフォルダとは別の場所に新規フォルダを作成し、そこに画像をコピーして管理したり表示したりする機能のことだ。
例えば、画像をスライドショー再生する場合、取り込んだ画像のフォルダを指定すると、必要のない画像まで再生されてしまい、スライドショーの見栄えや効率が悪い。デジカメのヘビーユーザーなら、同じ被写体を露出や構図を変えて複数撮影することも多いだろう。それら全部をいちいち再生するのは、かったるくて観賞用には適さない。
そんな時は、アルバム機能を使って、お気に入りの画像のみが入ったフォルダを作り、アルバム表示からスライドショー再生をするといい。また、撮影旅行の帰りの機内や車内などで、必要な画像を選んでアルバム登録しておけば、自宅に戻って画像をセレクトする手間が省ける。
さらに、アルバムのひとつとして「PC_DATA」フォルダがある。このフォルダには、PCのHDDから画像をコピーして保存できる。過去に撮った傑作写真を入れておき、外出先で人に自慢、いやプレゼンするのもいいだろう。そんな使い方が考えられる。
ほかには、ビデオ端子を利用したテレビ出力機能、動画や音声ファイルの再生機能などを搭載する。動画の対応フォーマットは、MOV、AVI、ASF、MP4で、音声はMP3とAACである。
アルバム機能で作成したフォルダは、子供、風景、イベント、スナップなどの好きなフォルダ名を付けて管理できる。なお、画像をアルバムに登録すると、画像がコピーされるので、HDD内には同じ画像が2つに増えることになる
USB2.0端子を経由してPCに接続した場合は、P-4000は外部ドライブとして認識する。この点は、他の多くの携帯型ストレージと同様であり、純粋な外付けHDDとしての利用もできる。またUSB DIRECT-PRINT対応プリンタを使い、PCを使わずに直接印刷できることはエプソン製品ならではの利点だ。
でも最大の魅力は、やはり写真表示の美しさである。当初、個人的には「ストレージビューワ」のストレージの部分を重視し注目していたが、実際に使ってみるとビューワとしての働きにこそ、より大きな価値を感じた。表示レスポンスに改善の余地があるとはいえ、この入力の手軽さや携帯性のよさはノートPCでは味わえない。
デジカメの場合、自分で撮った写真をじっくりと鑑賞することは、撮影枚数の多さに反比例して少なくなる。撮るには撮ったが、PCのHDDに保存した後は、ほとんど見ることがなく印刷もしない。そんな人は少なくないないはずだ。P-4000を利用すれば、これまでの「撮影→PCに保存」という流れが、「撮影→鑑賞←→保存」に変わる気がする。ロケ撮影の合間や帰りに写真を見たり、見せたりして楽しみたい。
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