“壁越しに風景を望む”計画:大画面を映画観賞以外にも使い倒す〜第2弾〜(3/3 ページ)
今回のお題は“風景”。デジタルハイビジョンで多く放映されている自然紀行番組を録画・再生しておくのもいいが、“窓”代わりに、あまり存在を主張しない映像、しかも、エンドレスで流せるようなコンテンツはないのだろうか。
「Water Illusion Screensaver」に収録されているサンプルを見ると、うまく設定を行えば、「ほほう」と口から出る程度の動きはつけられるようだ。自分で撮影してきた旅行写真にエフェクトを加えてスクリーンセーバー化し、知り合いに渡すといった使い方なら、結構楽しめるだろう。とはいえ、やはりチマチマ感は否めないので、大画面には映えないようだ。パーティクルでも使えれば、もう少し面白くできるかもしれないが。
ここはやはり3Dか。いまのPCの3Dグラフィック描画性能であれば、かなりリアルな風景も再現可能だろう。フラクタルで地形データを作成するソフトウェアは、ずいぶん昔からあるが、さらに一歩進んで、風による木々の揺れや、滝や川の流れを、物理運動として演算し、リアルタイム描画するようなシミュレーターがあればいいのだが……。さすがにそれは、現在のPC性能でも荷が重すぎる気もする。
自然風景を3Dグラフィックで表現する3Planesoftのスクリーンセーバー
シミュレーションではなく、数パターンの動きに限定したうえで、風景を3D描画してくれるものならある。やはりスクリーンセーバーになってしまうのだが、3Planesoftの「Nature 3D Screensaver」「Watermill 3D Screensaver」(シェアウェア各12.95ドル、試用版あり)あたりは、なかなかよくできている。
3Planesoftはほかにも3Dスクリーンセーバーを多数配布しており、ご存じの方も多いとは思う。「Nature 3D Screensaver」は山中の沼、「Watermill 3D Screensaver」は水車小屋の周辺の環境を再現し、さまざまな角度から眺められるようになっている(カメラの動きは数パターンでプリセットされており、ユーザーが制御することはできない)。木々はかすかに揺れ、空には小鳥が飛び、水中に目を凝らせば魚も泳いでいる。もちろん、水の表現もなかなかリアルだ。その分、PCには高性能を要求されるが、大画面でも十分に観賞に堪える。また、音楽つきなのだが、設定でオフにすれば環境音のみとなる。ただ、植物の葉などのテクスチャが粗いせいか、どうしてもゲーム的な雰囲気を感じてしまうのだが、今後、同じジャンルでより写実志向のものが出てくれば、個人的には“使える”と思う。
しかし、よく考えれば、この手の表現は逆にゲーム系ソフトのほうが優れているともいえる。そもそもスクリーンセーバーでは制作コストもあまりかけられないだろうし。というわけで、次回は鉄道シミュレータなどを中心に、大画面の箱庭化を模索してみたいと思う。
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