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めくるめくアルモドバル・ワールドへ――「バッド・エデュケーション」新作DVD情報

「トーク・トゥ・ハー」「オール・アバウト・マイ・マザー」のペドロ・アルモドバル監督の私的な経験と思いが凝縮された、美青年2人の愛と欲望と復讐のドラマ。美しくもエグイ官能世界に酔えるアルモドバルの集大成的作品。

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バッド・エデュケーション

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 「トーク・トゥ・ハー」「オール・アバウト・マイ・マザー」「ハイヒール」などで知られるスペインの鬼才、ペドロ・アルモドバル監督の新作。2004年NY批評家協会賞の外国映画賞受賞ほか、各映画祭で数々の賞にノミネートされた愛憎ミステリー。第57回カンヌ国際映画祭では、スペイン人監督作として初めてオープニング上映作品に選ばれた。

 1980年、マドリード。新進気鋭の映画監督エンリケ(フェレ・マルティネス)のもとに、イグナシオ(ガエル・ガルシア・ベルナル)と名乗る美貌の青年が映画の脚本を手に突然あらわれた。彼はエンリケの少年時代の神学校寄宿舎での親友。2人の少年時代の苦い思い出を題材にした脚本にひきつけられたエンリケは、映画化の約束をするが、昔の面影を感じられないイグナシオに不信感も抱いていた。真実を知りたいエンリケは、イグナシオを映画の主演俳優に抜擢し撮影を開始するが……。

 私小説的な作品が多いと言われるアルモドバル監督だが、本作も寄宿舎で過ごした少年時代の経験がベースになっているらしい。神父による性的虐待というデリケートな問題を織り交ぜつつ、映画製作の裏側で繰り広げられる愛と欲望と復讐のドラマが、過去と現在、劇中劇と現実の入れ子構造で描かれる。構想に10余年費やしたというだけあって、思い入れたっぷりの脚本は絶品。アルモドバルの妖しげな世界へと一瞬にして引きずり込まれ、散りばめられた伏線がサスペンスの醍醐味を味わわせてくれる。

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 主演は「天国の口、終わりの楽園。」「アロマ神父の罪」「モーターサイクル・ダイアリーズ」のメキシコ人俳優ガエル・ガルシア・ベルナルと、「トーク・トゥ・ハー」「アナとオットー」のスペイン人俳優フェレ・マルチネス。ラテン系美青年の競演も見どころだ。特に妖艶な女装姿を披露するガエルのフェロモンは卒倒もの。

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 愛をめぐって倒錯を続ける男たちの物語は、生々しい同性愛描写も多いし、正直、万人にはオススメしにくい。でも、原色に彩られた官能的な世界に五感と潜在意識を刺激され、ある種、のぞき見のスリルも楽しめる、まさにアルモドバル監督の集大成的作品なのだ。

 本作と「トーク・トゥ・ハー」「オール・アバウト・マイ・マザー」を収録した5000セット限定の「オール・アバウト・アルモドバルBOX」も同時リリース。

関連サイト:http://www.gaga.ne.jp/badeducation/(公式サイト)

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