小型でも低音が効く“ボーズの握りこぶし”
ボーズはロングセラーモデル「101MM」の音質を超えたという小型のアクティブスピーカー「Micro Music Monitor」を発表した。101MMの1/6という極小サイズと豊かな低音を両立させた“ボーズの握りこぶし”だ。
ボーズは12月1日、小型の2chアクティブスピーカーシステム「Micro Music Monitor」(M3)を2006年3月3日より販売すると発表した。価格は4万9980円で、同社直販サイトならびに直営店のみで扱われる。
新製品はピュアオーディオやホームシアター分野の製品ではなく、PCやポータブルオーディオの音源を手軽に楽しむためのマルチメディアスピーカー。既存の同社製品ラインアップで言えば「MediaMate II」の上位モデルと位置づけられている。
60.4(幅)×122(高さ)×122.5(奥行き)ミリという握りこぶしほどのサイズながらも新開発の低音再生技術「ハイパーレゾネーター」を搭載、豊かな低音を再生する。高い剛性を持ったアルミ製キャビネットには、ネオジウムマグネットを採用した50ミリのフルレンジドライバーが搭載されており、小型スピーカーのカテゴリーにとどまらない高音質の再生に成功したという。
ハイパーレゾネーターの詳細は明らかにされていないが、スピーカーの後部側面には内部を貫く形でスリットが設けられている。のぞき込むとスピーカーに使われるマグネットのようなものが見えるが、搭載ユニットは1基とされている。
内蔵するデジタルアンプも新設計されたもので、20ワット×2の出力を持つ。AC電源のほかにも乾電池(単三形アルカリ乾電池4本)による駆動も可能で、その場合の出力は2ワット×2となる。乾電池駆動時には、一定時間入力がない場合に電源を落とすオートシャットダウン機能も備えている。入力端子は3.5ミリステレオピンジャック×1で、パッケージには電源ON/OFFと音量調節が行えるリモコンも付属する。
同社はコンパクトスピーカーの先駆けともいえる「101MM」を1982年に発表、現在も同製品はベストセラーとして販売されている。新製品は101MMのコンセプトを受け継ぎながらもより小型化を進め、“握りこぶし大の小型スピーカーで深みのあるサウンドを生み出す”ことを目指したという。「(ボーズの創始者)ボーズ氏がコンパクトスピーカーに求める“手軽ながらも高音質”を具体化する製品だと自負しています」(同社)
同社の佐倉住嘉(代表取締役社長)は「大きなスピーカーを使わないと低音は鳴らない。そうした当たり前をボーズはこれまでにも、いくつもの新技術で打破してきた。今回はスピーカーの発表というよりも、新しい低音再生技術の発表だと思っている」と新製品に自信を示した。
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